株式明日の戦略-8月は大幅高スタート、米国の経済指標と為替動向に要注目

 8月に入り1日の日経平均は大幅続伸。終値は304円高の33476円。米国株高と円安進行を好感して、寄り付きから3桁の上昇。開始直後にいったん値を消したものの、マイナス圏入りを回避して切り返すと、以降はじり高基調が続いた。前場のうちに上げ幅を200円超に広げると、後場はトヨタ<7203.T>が決算を受けて買われたことも追い風に一段高。節目の33500円にはあと一歩届かなかったものの、引け間際に高値をつけて300円を超える上昇で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆3000億円。業種別では電気・ガス、海運、輸送用機器などが上昇した一方、銀行、保険、サービスなどが下落した。上方修正を発表した住友理工<5191.T>が後場急騰。半面、1Qが大幅な減益となった双日<2768.T>が後場に入って急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1064/値下がり710。1Qが前年同期比で94%営業増益となったトヨタが2.5%高。連日で年初来高値を更新し、上場来高値に接近した。ソシオネクストが全市場の売買代金トップとなる大商いで13.3%高。アドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテックなど他の半導体株にも非常に強い動きが見られた。村田製作所が1Q減益着地を受けても強く買われたことで、TDKや太陽誘電など電子部品株に買いが波及した。三井物産は決算発表直後に下押す場面があったものの、引けでは2%を超える上昇となり、高値圏で終了。マキタ、スミダコーポ、日本調剤、牧野フライスなどが決算を材料に急騰した。

 一方、前日に決算で売られたファナックとキーエンスが連日の大幅安。1Q決算にサプライズが乏しかった三井住友やりそなが大きく売られており、地銀株も下落銘柄が多かった。JTやパナソニックが決算を受けて下落。1Qは大幅増益も市場の期待に届かなかった三菱電機が6.4%安と厳しい下げとなった。前日に治験に関するリリースで急落した住友ファーマは1Qの営業赤字を受けて連日の大幅安。通期見通しを引き下げたナブテスコや、1Qが大幅減益となったベネフィットワンが急落した。

 8月初日の日経平均は大幅上昇。序盤に失速はしたものの、場中の動きは強かった。東京時間でもドル円が円安気味に推移しており、140円より上が定着しそうになってきていることが、日本株の買い安心感を高めている。為替が追い風となる中、トヨタも1Q決算を発表して大きく上昇した。米国では本日、7月ISM製造業景気指数と6月JOLTS求人件数が公表される。どちらも注目度が高いだけに、結果を受けたドル円の振れ幅が大きくなる可能性がある。週末には米雇用統計も控えており、目先は為替に神経質な状況が続くと思われる。あまり円安に傾きすぎると介入への警戒が浮上してくるが、日本株を見る上では円高よりは円安の方が良い。本日の米指標を受けて円安基調が継続するかどうかを注視しておきたい。
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