株式明日の戦略-日経平均の弱さが目立つ大幅安、あすはファストリの動向に注目

 2日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は768円安の32707円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり287/値下がり1503。1Q好決算を受けて前日に買われたトヨタが、証券会社の目標株価引き上げなども追い風に逆行高。上場来高値を更新した。直近で売り込まれていたキーエンスが上昇。上方修正を発表したメルカリや、米Open AI社との協業合意観測が伝わった楽天Gが、地合いの悪い中でもプラスで終えた。古河電工、住友電工、フジクラの電線3社がそろって上昇。上方修正や増配を発表した山崎製パンが急騰し、1Qが大幅増益となったIRジャパンが一時ストップ高となるなど値を飛ばした。

 一方、ファーストリテイリングが3.9%安、ソフトバンクGが3.7%安と指数寄与度の大きい2銘柄がそろって大幅安。アドバンテストが4.5%安、東京エレクトロンが3.2%安と半導体株も弱さが目立った。日経1面で企業向け保険の価格調整疑いが報じられたことから、東京海上やSOMPOなど保険株が軒並み急落。1Q業績が市場の期待に届かなかった野村HDが8.5%安と派手に下げ、他の証券株にも売りが広がった。1Q決算が失望を誘ったコニカミノルタやティーガイアが急落。ゼンショーHDが特段の売り材料が観測されない中で14.6%安と大きく値を崩した。

 日経平均は大幅安。ただ、リスクオフというよりは、日経平均を下に押し下げようとする意向を強く感じる1日でもあった。主要指数の騰落率を見比べると、日経平均が2.3%安、TOPIXが1.5%安、マザーズ指数が1.1%安となっている。日経平均とTOPIXの開きが大きいし、マザーズ指数の方が日経平均よりも下げがおとなしい。グロース株が弱く、大きな枠組みとしては米国の金利上昇を嫌気した下げなのだろうが、REIT指数は0.1%安と横ばい程度にとどまっており、しっくりこないところもある。

 フィッチが米国債の格付けを引き下げたことが大幅安の要因との見方もあったが、米株先物の値動きは落ち着いていた。もし、これが要因であった場合、本日の米国株が大幅安になったとしても先取りしていることになるし、大幅安にならなかった場合には強烈な買い戻しが入るはず。きょうの下げが大きかったファーストリテイリング、ソフトバンクG、東京エレクトロン、アドバンテストがあすどういった反応を見せるかが大きく注目される。あすも引き続き弱いようだと、日経平均の先安観が台頭し、大型株が手がけづらくなる懸念がある。ファーストリテイリングは引け後に国内ユニクロ月次を発表しており、既存店が前年割れとなった6月に対して、7月はプラスかつ良好な内容となった。反転してもよい材料がある同社の動向を特に注目しておきたい。
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