ロンドン為替見通し=米国債格下げの欧州債券市場への影響を見極める展開か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国の格下げの影響を見極めることになる。

 フィッチは「米国の格下げは今後3年で予想される財政状況の悪化、高水準で拡大しつつある一般政府債務負担、過去20年間の他のAAおよびAAA格付け諸国・地域と比較したガバナンス(統治)の低下を反映している」と格下げ理由を発表した。

 2011年8月の米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による米国債格下げは、世界の市場に激震を齎したが、今回の市場の反応はこれまでのところ限定的となっている。

 しかし、欧米英の債券市場は、それぞれの中銀による断続的な利上げや量的金融引締政策(QT)などで下値警戒感が高まっていることで、警戒しておきたい。

 また、英国やユーロ圏の債券市場では、日本銀行によるイールドカーブコントロール(YCC)の運用柔軟化を受けて、本邦機関投資家のユーロ債・英国債売り、日本へのレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)への警戒感が高まっており、引き続き警戒しておきたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1055ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:157.81円(7/24高値)
・ポンドドル:1.2996ドル(7/27高値)
・ポンド円:184.02円(7/5高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0876ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:155.11円(7/31安値)
・ポンドドル:1.2659ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンド円: 181.92円(7/27高値)


(山下)
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