株式明日の戦略-空売り比率が逆張り指標になるには米半導体株の反発が不可欠か

 3日の日経平均は大幅続落。終値は548円安の32159円。

 個別の値上がり率上位では、チェンジHDとの資本・業務提携を発表したイー・ガーディアンがストップ高となったほか、JVCケンウッドは証券会社による目標株価引き上げで連日の大幅高。通期営業利益の上方修正と年間配当予想を増額修正したサンリオもストップ高で終えた。親会社の伊藤忠によるTOBが発表されたCTCは買い付け価格付近まで一気に上昇。その他決算関連では、日本ライフラインやAZ-COM丸和HD、スカパーJSATなどが上位に顔を出した。

 一方、値下がり率上位では、通期の連結営業利益予想を下方修正したNOKやTDK、ヤマハが急落。減益決算でカカクコムが後場に急落となったほか、広告市況の伸び悩みで営業減益のテレビ東京HDがマドを開けて大幅続落となった。ダイヘンは営業減益と受注減が嫌気されたほか、1Q営業黒字転換も市場コンセンサスを下回ったNTNの軟調さも目立った。富士急行は1Qの急回復も通期据え置きが失望売りを浴びた。

 不安定な相場の中、日経平均は7月に何度か下げ渋った32000円の心理的節目を下値で意識してリバウンドがみられるかが焦点となる。このタイミングで空売り比率が連日で45%以上まで上昇。空売り比率が逆張り指標して有効となるには、今晩の米ハイテク株の反発が不可欠である。強いては、25日移動平均線付近まで調整し、7月後半の直近安値をまだ下回っていない米SOX指数の動向に頼ることになろう。また、日本時間のあすの早朝に予定されているアップルやアマゾンの決算への反応も注目材料となる。

 一方、週末の米7月雇用統計を控え、取引時間中の指数ベースの値動きは限定的となりそうだ。米長期金利が高止まりしており、統計の結果次第では上にも下にも大きく振れる警戒感も強く、あすは序盤で動意が一巡したあとは売り買い交錯が予想される。

 リスク要因は為替市場におけるここからの円高方向への反転である。米株安と同時にくる際には株価に下方圧力がかかり下値模索の展開も想定される。個別ベースでは引き続き決算銘柄への期待もあるが、地合いがこれ以上悪化すると、好決算にも材料出尽くしの反応に変わってくる可能性には留意したい。
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