株式明日の戦略-一時32000円割れもプラスで終了、来週は上値の重い展開か

 4日の日経平均は3日ぶり反発。終値は33円高の32192円。

 日経平均は一時32000円を割り込んだが、切り返して3日ぶりに反発した。安値は31934円までで、7月12日につけた31791円は下回らなかった。きょう4日の終値は32192円。テクニカル面では、13週線(32047円、4日時点、以下同じ)や7月12日安値がサポートとして機能するかが来週以降の焦点。75日線(31538円)を割り込むと、押しが深くなる展開も想定される。来週、225構成銘柄では、ソフトバンクG(8日)、ソニーG(9日)、東京エレクトロン、リクルートHD(10日)などの決算が注目を集める。10日発表予定の2銘柄は結果を消化するのが翌週となるが、思惑が絡んで来週も値幅が出る可能性がある。グロース株が多いだけに、米国の長期金利上昇に一服感が出てくるかどうかが日経平均浮上のカギを握ることになるだろう。

【来週の見通し】
 上値が重いか。国内は金曜11日が山の日で休場。今週、非常に不安定な動きが出てきたことから、市場の空白はリスクとして意識されやすい。木曜10日に出てくる米国の7月消費者物価指数(CPI)が、ここ最近のトレンドからは米国のインフレへの警戒を和らげる材料として期待できる。ただ、この中身や米国マーケットの反応を確認する前に、東京市場は三連休に入る。国内は引き続き決算が多く、業績を吟味した個別物色は活況が見込まれる。ただ、主力どころが来週で概ね出そろうことから、週後半は翌週以降の夏枯れを警戒した動きが出てくる可能性がある。指数は米国株、為替、米長期金利に神経質となる地合いが続くと思われる。米金利の上昇や米国株の下げが続いた際には手じまい売りが強めに出てくると思われる。米国株の動きが良かった場合でも、三連休を前にしては押し目買いが恐る恐るになると予想する。

【今週を振り返る】
 荒い動きが続き、週間では下落した。前週末の米国株が上昇し、円高にも一服感が出てきたことから、週明け7月31日の日経平均は大幅高。TOPIXは年初来高値を更新した。8月相場に入った1日も、米国株高と円安進行を好感して連日の大幅高となった。しかし、2日は米国の長期金利上昇を嫌気して768円安と今年最大の下げ幅を記録。格付け会社フィッチによる米国債の格下げが市場のリスクとして意識された模様で、同日の米国株が大きく崩れたことを受けて、3日も大幅安となった。4日は売りが先行したものの、32000円割れで下げ渋ってプラスで終了。月曜と火曜で700円超上げて、水曜と木曜で1300円超下げるという、不安定な相場となった。日経平均は週間では反落となり、約566円の下落。週足では陰線を形成した。

【来週の予定】
 国内では、日銀金融政策決定会合の「主な意見」(7/27~28開催分)、6月景気動向指数(8/7)、6月毎月勤労統計調査、6月家計調査、7月景気ウォッチャー調査、30年国債入札(8/8)、7月マネーストック、7月工作機械受注(8/9)、オプションSQ、7月企業物価指数、7月都心オフィス空室率(8/10)などがある。

  海外の経済指標の発表やイベントでは、米6月消費者信用残高(8/7)、中国7月貿易収支、米6月貿易収支、米3年国債入札(8/8)、中国7月生産者物価指数、中国7月消費者物価指数、米10年国債入札(8/9)、米7月消費者物価指数、米7月財政収支、米30年国債入札(8/10)、米7月生産者物価指数、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数(8/11)などがある。
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