ニューヨーク外国為替市場概況・4日 ドル円、続落

 4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は141.76円と前営業日NY終値(142.58円)と比べて82銭程度のドル安水準だった。米労働省が発表した7月米雇用統計では非農業部門雇用者数が18.7万人増と予想の20.0万人増を下回った一方、失業率が3.5%、平均時給が前月比0.4%/前年比4.4%と予想より強い内容となった。
 非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回ったことを受けて、FF金利先物市場が織り込む年内の追加利上げ確率は低下。全般ドルを売る動きが優勢となり、23時30分過ぎに一時141.55円と日通し安値を付けた。一時は4.2043%前後と昨年11月8日以来約9カ月ぶりの高水準を記録した米10年債利回りが4.03%台まで急低下したことも相場の重しとなった。

 ユーロドルは続伸。終値は1.1006ドルと前営業日NY終値(1.0949ドル)と比べて0.0057ドル程度のユーロ高水準だった。米雇用統計で景気動向を反映しやすい非農業部門の雇用者数が予想を下回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続への過度な警戒が緩和。米金利が低下し、ドル全面安の展開となった。1時前には一時1.1042ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.74まで低下した。
 なお、グールズビー米シカゴ連銀総裁はこの日、「7月雇用統計はほぼ予想通りだった」「雇用市場は若干落ち着いたものの、依然として非常に堅調」「いつまで金利を維持するかについて検討を始めるべき」と述べたほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「米雇用の伸びは秩序だった形で減速している。インフレ抑制に向けた一段の利上げは必要ない」との考えを示した。

 ユーロ円はほぼ横ばい。終値は156.06円と前営業日NY終値(156.07円)と比べて1銭程度のユーロ安水準。ダウ平均が一時290ドル超上昇すると投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが先行。24時30分前には一時156.63円と本日高値を更新した。ただ、ダウ平均が下げに転じると一転円買い・ユーロ売りが優勢となり、値を消した。

本日の参考レンジ
ドル円:141.55円 - 142.88円
ユーロドル:1.0935ドル - 1.1042ドル
ユーロ円:155.90円 - 156.63円

(中村)
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