NYマーケットダイジェスト・4日 株続落・金利低下・ドル安

(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=141.76円(前営業日比▲0.82円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.06円(▲0.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1006ドル(△0.0057ドル)
ダウ工業株30種平均:35065.62ドル(▲150.27ドル)
ナスダック総合株価指数:13909.24(▲50.47)
10年物米国債利回り:4.04%(▲0.14%)
WTI原油先物9月限:1バレル=82.82ドル(△1.27ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1976.1ドル(△7.3ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
7月米雇用統計
失業率                3.5%       3.6%
非農業部門雇用者数変化       18.7万人    18.5万人・改
平均時給(前月比)          0.4%       0.4%
平均時給(前年比)          4.4%       4.4%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続落。米労働省が発表した7月米雇用統計では非農業部門雇用者数が18.7万人増と予想の20.0万人増を下回った一方、失業率が3.5%、平均時給が前月比0.4%/前年比4.4%と予想より強い内容となった。
 非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回ったことを受けて、FF金利先物市場が織り込む年内の追加利上げ確率は低下。全般ドルを売る動きが優勢となり、23時30分過ぎに一時141.55円と日通し安値を付けた。一時は4.2043%前後と昨年11月8日以来約9カ月ぶりの高水準を記録した米10年債利回りが4.03%台まで急低下したことも相場の重しとなった。

・ユーロドルは続伸。米雇用統計で景気動向を反映しやすい非農業部門の雇用者数が予想を下回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続への過度な警戒が緩和。米金利が低下し、ドル全面安の展開となった。1時前には一時1.1042ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.74まで低下した。
 なお、グールズビー米シカゴ連銀総裁はこの日、「7月雇用統計はほぼ予想通りだった」「雇用市場は若干落ち着いたものの、依然として非常に堅調」「いつまで金利を維持するかについて検討を始めるべき」と述べたほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「米雇用の伸びは秩序だった形で減速している。インフレ抑制に向けた一段の利上げは必要ない」との考えを示した。

・ユーロ円はほぼ横ばい。ダウ平均が一時290ドル超上昇すると投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが先行。24時30分前には一時156.63円と本日高値を更新した。ただ、ダウ平均が下げに転じると一転円買い・ユーロ売りが優勢となり、値を消した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。7月米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回ったことを受けて、FRBによる利上げ継続への過度な警戒が緩和。株式市場には買い安心感が広がり、指数は一時290ドル超上げた。ただ、買い一巡後は次第に売りが強まり下げに転じた。決算内容が嫌気されたアップルが4.7%超下落し、相場の押し下げ要因となった。市場では「時価総額が最も大きい銘柄の下げが投資家心理を冷やした」との指摘があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに大幅反発。7月米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回り、米利上げ継続観測が後退すると債券買い優勢となった。
 ただ、指標発表直後は売りが強まる場面もあった。平均時給が予想を上回ったことなどを手掛かりに、利回りは一時4.2043%前後と昨年11月8日以来約9カ月ぶりの高水準を付けた。

・原油先物相場は続伸。石油輸出国機構(OPEC)プラスは現行の協調減産を維持する方針を確認。前日にはサウジアラビアの独自減産やロシアの輸出減などが伝わっていたこともあり、この日も需給ひっ迫懸念を手掛かりにした買いが入った。

・金先物相場は4日ぶりに反発。7月米雇用統計後に米長期金利が低下すると、金利を生まない資産である金には買いが入った。外国為替市場でドル安が進んだことも、ドル建てで取引される金の割安感を意識させて買いを促した。

(中村)
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