NYマーケットダイジェスト・28日 株高・金利低下・円安
(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=141.16円(前営業日比△1.68円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=155.42円(△2.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1016ドル(△0.0037ドル)
ダウ工業株30種平均:35459.29ドル(△176.57ドル)
ナスダック総合株価指数:14316.66(△266.55)
10年物米国債利回り:3.95%(▲0.05%)
WTI原油先物9月限:1バレル=80.58ドル(△0.49ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1999.9ドル(△14.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5日ぶりに反発。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している6月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比4.1%上昇と予想の4.2%を下回り、賃金インフレの動向をみる上で重要な4-6月期米雇用コスト指数が前期比1.0%上昇と予想の1.1%上昇を下回ったことが伝わると、FRBによる現在の利上げサイクルが終了するとの観測が高まり、米国株相場が底堅く推移。投資家のリスク志向が改善し、全般円売りが優勢となった。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比370円高の3万3140円まで上昇したことも相場の支援材料となり、アジア時間に付けた高値141.07円を上抜けて一時141.18円まで値を上げた。
なお、東京市場では荒い値動きだった。日銀が今日まで開いた金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用を見直したことが伝わり、短時間で141.07円から138.07円まで急落する場面があった。
・ユーロドルは反発。欧州時間発表のユーロ圏各国の4-6月期国内総生産(GDP)速報値が底堅い結果だったことを受けて、ユーロ圏経済の過度な悪化懸念が後退し、ユーロ買い・ドル売りが先行。この日発表の米経済指標がインフレ圧力の高まりを示さなかったこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.1047ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は5日ぶりに大幅反発。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、米国株や日経平均先物の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出た。アジア時間の高値154.91円を上抜けると一時155.60円まで上値を伸ばした。アジア時間に付けた日通し安値151.42円からは4円超の上昇となった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。6月米PCEデフレーターで変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが予想を下回ったうえ、4-6月期米雇用コスト指数が予想より弱い内容だったことが分かると、物価上昇の勢いが和らいでいると受け止められた。FRBによる現在の利上げサイクルが終了するとの観測が高まり、株を買う動きが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。6月米PCEデフレーターや4-6月期米雇用コスト指数が鈍化したことを受けて米インフレ懸念が和らぐと、FRBによる利上げ継続観測が後退。債券を買う動きが優勢となった。
・原油先物相場は小幅に続伸。80ドル台から利益確定売りで79ドル付近へ下押す場面もあった。しかし主要中銀の利上げサイクル終了観測が広がり各国の景気が下支えされ、エネルギー需要を支援するとの見方が根強く下落幅を帳消しにした。
・金先物相場は反発。6月米PCEデフレーターがコアで前年比+4.1%と、+4.2%程度を見込んでいた市場予想以上に5月の+4.6%から鈍化。ユーロなど主要通貨に対してドル売りが進んだ。ドル安によりドル建て金相場の換算値に割安感が生じ、金を買う動きにつながった。ドルの価値低下が、ドルの代替資産とみなされることもある金の相対的な価値上昇につながった点も買い材料と受け止められた。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=141.16円(前営業日比△1.68円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=155.42円(△2.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1016ドル(△0.0037ドル)
ダウ工業株30種平均:35459.29ドル(△176.57ドル)
ナスダック総合株価指数:14316.66(△266.55)
10年物米国債利回り:3.95%(▲0.05%)
WTI原油先物9月限:1バレル=80.58ドル(△0.49ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1999.9ドル(△14.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5日ぶりに反発。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している6月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比4.1%上昇と予想の4.2%を下回り、賃金インフレの動向をみる上で重要な4-6月期米雇用コスト指数が前期比1.0%上昇と予想の1.1%上昇を下回ったことが伝わると、FRBによる現在の利上げサイクルが終了するとの観測が高まり、米国株相場が底堅く推移。投資家のリスク志向が改善し、全般円売りが優勢となった。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比370円高の3万3140円まで上昇したことも相場の支援材料となり、アジア時間に付けた高値141.07円を上抜けて一時141.18円まで値を上げた。
なお、東京市場では荒い値動きだった。日銀が今日まで開いた金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用を見直したことが伝わり、短時間で141.07円から138.07円まで急落する場面があった。
・ユーロドルは反発。欧州時間発表のユーロ圏各国の4-6月期国内総生産(GDP)速報値が底堅い結果だったことを受けて、ユーロ圏経済の過度な悪化懸念が後退し、ユーロ買い・ドル売りが先行。この日発表の米経済指標がインフレ圧力の高まりを示さなかったこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.1047ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は5日ぶりに大幅反発。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、米国株や日経平均先物の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出た。アジア時間の高値154.91円を上抜けると一時155.60円まで上値を伸ばした。アジア時間に付けた日通し安値151.42円からは4円超の上昇となった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。6月米PCEデフレーターで変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが予想を下回ったうえ、4-6月期米雇用コスト指数が予想より弱い内容だったことが分かると、物価上昇の勢いが和らいでいると受け止められた。FRBによる現在の利上げサイクルが終了するとの観測が高まり、株を買う動きが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。6月米PCEデフレーターや4-6月期米雇用コスト指数が鈍化したことを受けて米インフレ懸念が和らぐと、FRBによる利上げ継続観測が後退。債券を買う動きが優勢となった。
・原油先物相場は小幅に続伸。80ドル台から利益確定売りで79ドル付近へ下押す場面もあった。しかし主要中銀の利上げサイクル終了観測が広がり各国の景気が下支えされ、エネルギー需要を支援するとの見方が根強く下落幅を帳消しにした。
・金先物相場は反発。6月米PCEデフレーターがコアで前年比+4.1%と、+4.2%程度を見込んでいた市場予想以上に5月の+4.6%から鈍化。ユーロなど主要通貨に対してドル売りが進んだ。ドル安によりドル建て金相場の換算値に割安感が生じ、金を買う動きにつながった。ドルの価値低下が、ドルの代替資産とみなされることもある金の相対的な価値上昇につながった点も買い材料と受け止められた。
(中村)