株式明日の戦略-大幅安スタートからプラス転換、値固めが進むかが焦点に

 7日の日経平均は続伸。終値は61円高の32254円。7月雇用統計を受けて4日の米国株が下落したことを嫌気して、寄り付きは大幅安。開始直後には下げ幅を300円超に広げた。しかし、すぐに売りが一巡すると切り返し、場中はしっかりとした動きが続いた。TOPIXが早いうちにプラス転換すると、日経平均も前場のうちに下げ幅を一桁にまで縮小。後場はプラス圏からのスタートとなった。プラス転換した後は上げ幅を広げてくると押し戻されたが、終盤には買いに勢いがつき、3桁高となる場面もあった。終値でもプラスを確保し、ローソク足では実体の長い陽線を形成した。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆4300億円。業種別では水産・農林、医薬品、繊維などが上昇した一方、電気・ガス、建設、その他金融などが下落した。上期決算が好感されたユニ・チャーム<8113.T>が大幅高となり、上場来高値を更新。半面、1Qが営業赤字となった大成建設<1801.T>や1Qが大幅減益となった大林組<1802.T>が後場に入って急落。鹿島<1812.T>や清水建設<1803.T>など同業にも売りが波及した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1315/値下がり474。上方修正と増配を発表した日本製鉄が3.4%高。鉄鋼では合同製鉄や淀川製鋼所も決算を材料に値を飛ばした。1Qが最終黒字となったシャープが急伸。ヤマシンフィルタ、グローリー、大真空などが決算を受けて2桁の上昇率となった。ミネベアミツミは1Q大幅減益を受けて売りが先行したものの、押し目では買いが入って大幅上昇。業績関連以外では、治療薬の米国での承認取得を発表したアステラス製薬の上昇が目立った。

 一方、1Qが大幅な減益となったスクエニHDが2桁の下落率となって年初来安値を更新。大阪チタニウム、F&LC、オープンドアが決算を受けて大きく値を崩した。日経平均がプラス転換した際には下げ幅を縮めたものの、ファーストリテイリング、ソフトバンクG、アドバンテスト、東京エレクトロンなど225構成銘柄の主力どころが軟調。米雇用統計を通過して米国の長期金利が低下したことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が売りに押された。

 日経平均は序盤は大幅安となったものの、切り返してプラスで終了。値上がり銘柄が多く、押し目買い意欲の強さが感じられる1日となった。安値は9時01分につけた31830円で、32000円を割り込むと底堅くなるというこれまでの傾向が継続した。一方、225銘柄で売買代金上位の常連銘柄に頭打ち感が出てきているのは気になる動き。日経平均は高値圏で終了はしたが、プライムの値上がり銘柄数を鑑みると61円高というのは物足りなさもある。今週は三連休が控えていることもあり、あす以降も強弱感は交錯しやすい。32000円より上で値を固めていけるかが焦点となる。
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