欧州マーケットダイジェスト・8日 株安・金利低下・ユーロ安

(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.27円(8日15時時点比▲0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.01円(▲0.61円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0959ドル(▲0.0040ドル)
FTSE100種総合株価指数:7527.42(前営業日比▲27.07)
ドイツ株式指数(DAX):15774.93(▲175.83)
10年物英国債利回り:4.385%(▲0.076%)
10年物独国債利回り:2.469%(▲0.132%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
7月独消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                0.3%       0.3%
前年比                6.2%       6.2%
6月仏貿易収支       67.13億ユーロの赤字 79.39億ユーロの赤字・改
6月仏経常収支        8億ユーロの黒字   6億ユーロの赤字・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調だった。イタリア政府が銀行に超過利潤税を課すことを承認したと伝わると、同国の銀行株が急落し欧州株全般に売りが波及。また、米格付け大手ムーディーズが一部の米銀行の格付けを引き下げたことで、銀行の経営を巡る懸念が再燃し、米国株相場が下落した。投資家のリスク回避姿勢が強まるとユーロ売り・ドル買いが優勢となり、23時過ぎに一時1.0929ドルと日通し安値を更新した。
 なお、欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は1.4%超下落したほか、ダウ平均は一時460ドル超下げた。

・ユーロ円は頭が重かった。アジア時間に一時157.75円と日通し高値を付けたあとは次第に弱含んだ。イタリア株中心に欧州株が軟調に推移したほか、米国株がさえない値動きとなったことでリスク・オフの円買い・ユーロ売りが入り、一時156.35円と本日安値を更新した。

・ドル円は143.00円を挟んだもみ合いの展開となった。ユーロ円などクロス円の下落につれた売りが出た半面、対欧州・オセアニア通貨でドル買いが進んだ影響を受けたためドル円自体は大きな方向感が出なかった。市場では「10日の7月米消費者物価指数(CPI)や11日の7月米卸売物価指数(PPI)など、注目度の高い米経済指標の発表を控えて様子見ムードが広がっている」との声が聞かれた。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は「経済指標に急激な変化がない限り、金利を現在の水準に維持できる」「おそらく来年利下げを開始することになるだろう」などと述べた。

・ロンドン株式相場は続落。イタリア政府が銀行に超過利潤税を課すことを承認したと伝わると、同国の銀行株が急落。欧州株全般に売りが広がった。低調な7月中国貿易統計を嫌気した上海株や香港株の下落も相場の重荷となった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が軟調だった。

・フランクフルト株式相場は続落。低調な7月中国貿易統計を嫌気した上海株や香港株の下落が相場の重しなった。イタリア政府が銀行に超過利潤税を課すことを承認したと伝わり、同国の銀行株が急落したことも投資家心理を冷やした。個別ではドイツ銀行(3.84%安)やコメルツ銀行(3.34%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(3.23%安)などの下げが目立った。
 なお、イタリアは2.12%安となった。

・欧州債券相場は上昇。欧州株相場が下落し、投資家のリスク回避姿勢が強まったことから相対的に安全資産とされる独国債に買いが入った。

(中村)
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