NYマーケットダイジェスト・8日 株安・金利低下・ドル高

(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.38円(前営業日比△0.88円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.10円(△0.31円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0956ドル(▲0.0046ドル)
ダウ工業株30種平均:35314.49ドル(▲158.64ドル)
ナスダック総合株価指数:13884.32(▲110.08)
10年物米国債利回り:4.02%(▲0.07%)
WTI原油先物9月限:1バレル=82.92ドル(△0.98ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1959.9ドル(▲10.1ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
6月米貿易収支         655億ドルの赤字  683億ドルの赤字・改
6月米卸売売上高(前月比)      ▲0.7%     ▲0.5%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。市場では「10日の7月米消費者物価指数(CPI)や11日の7月米卸売物価指数(PPI)など、注目度の高い米経済指標の発表を控えて様子見ムードが広がっている」との声が聞かれ、しばらくは143円台前半でのもみ合いが続いた。
 ただ、NY午後に入ると徐々に強含んだ。一時は460ドル超下落したダウ平均が130ドル安程度まで下げ幅を縮めると、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いがじわりと強まった。米10年債利回りが3.98%台から4.03%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えした。アジア時間の高値143.43円を上抜けて一時143.49円まで値を上げた。

・ユーロドルは続落。イタリア政府が銀行に超過利潤税を課すことを承認したと伝わると、同国の銀行株が急落し欧州株全般に売りが波及。リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まり、23時過ぎに一時1.0929ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、3日の安値1.0912ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。

・ユーロ円は続伸。イタリア株中心に欧州株が軟調に推移したことでリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行し、20時30分過ぎには156.35円と本日安値を付けた。ただ、安く始まった米国株が下げ幅を縮めると買い戻しが優勢に。引けにかけては157.24円付近まで持ち直した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。米格付け会社ムーディーズが一部の米銀行の格付けを引き下げたことで、銀行の経営を巡る懸念が再燃し、金融株主導で売りが先行した。低調な7月中国貿易統計を受け、中国景気の弱さが意識されたことも相場の重しとなり、一時460ドル超下落した。ただ、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が「経済指標に急激な変化がない限り、金利を現在の水準に維持できる」「おそらく来年利下げを開始することになるだろう」と述べたことが好感されると買い戻しが優勢となり、下げ幅を縮めた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは反発。米格付け会社ムーディーズが一部の米銀行の格付けを引き下げたことを受けて、投資家のリスク回避姿勢が強まると相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

・原油先物相場は反発。7月中国貿易収支の内容で同国の原油輸入が前年比で減少したことが判明。前日比マイナス圏へ沈んだがサウジアラビアの減産やロシアの輸出減少が下支えとなり下落幅を縮小。小幅高で引けた。

・金先物相場は続落。弱い7月中国貿易収支が同国の経済停滞を意識させ、リスク回避のドル買いが先行。イタリア政府による金融機関の超過利潤への課税を嫌気してユーロが売られたこともドルを押し上げる要因となった。ドル建て金相場に割高感が生じ、売りを誘った。

(中村)
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