10日香港株=上値重いか、米中関係の悪化などを警戒

 10日の香港市場は上値の重い展開か。米国のバイデン大統領は9日、中国の一部ハイテク企業に対する米投資を制限する大統領令に署名した。量子コンピューティングや半導体、人工知能(AI)などの分野が対象で、大統領令は来年発効する見通し。在米中国大使館の劉鵬宇報道官は、自国の権益を守ると表明しており、米中関係の悪化に対する警戒感が相場の重しとなりそうだ。

 一方、9日発表された2023年7月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で0.3%の下落となった。市場予想(0.4%下落)からは上振れたものの、21年2月以来、2年5カ月ぶりの前年同月割れとなっており、デフレ圧力が鮮明となった。ただ、中国人民銀行(中央銀行)が金融緩和に動きやすくなったとの観測も浮上しており、一定の支えとなる可能性もある。

 9日のNY株式相場は主要3指数がそろって続落。翌日の米7月CPIの発表を控え様子見姿勢が強まった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)はテンセント(00700)やアリババ集団(09988)、AIAグループ(01299)などが香港終値を下回って引けている。

(川畑)
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