NY株見通し-今週は小売株などの決算発表や7月小売売上高などの経済指標に注目

 今週のNY市場は小売株などの決算発表や7月小売売上高などの経済指標に注目。先週はダウ平均が0.62%高と反発した一方、S&P500が0.31%安、ナスダック総合は1.90%安とともに2週続落。ナスダック総合は今年初めての2週続落となった。格付け会社のムーディーズが一部地銀株の格付けを引き下げたことでセンチメントが悪化したことや、米10年債利回りの上昇が嫌気されハイテク株を中心に利益確定売りが強まったものの、総じて良好な第2四半期決算が支えとなった。注目された物価指標は、7月消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びにとどまった一方、7月生産者物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなったが、ミシガン大学が発表した8月の期待インフレ率が前月から低下したことで9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き見通しが続いた。セクター別では原油高を好感したエネルギーやヘルスケア、公益などのディフェンシブ・セクターが上昇した一方、IT、一般消費財などのハイテク・セクターや素材が下落した。8月月初来では、ダウ平均が0.78%安と3カ月ぶりの反落ペースとなり、S&P500は2.72%安、ナスダック総合は4.89%安とともに6カ月ぶりの反落ペースとなった。ただ、年初来ではダウ平均が6.44%高にとどまっているものの、S&P500が16.27%高となり、ナスダック総合は30.37%高と依然として大幅高となっている。

 今週は景気動向を巡り小売株などの決算発表や7月小売売上高などの経済指標に注目が集まる。米国経済はリセッション懸念が後退し、ソフトランディング期待が高まっているが、小売株の決算やガイダンス、小売売上高などが良好な結果となれば安心感が広がりそうだ。決算発表は火曜日にホーム・デポ、水曜日にターゲット、TJX、木曜日にウォルマート、タペストリー、ロス・ストアーズと小売株の決算発表が続く。このほか、アジレント・テクノロジー、シスコ・システムズ、アプライド・マテリアルズ、ディア、エスティ・ローダー、パロ・アルト・ネットワークスなどS&P500の約20銘柄が発表予定。経済指標では火曜日に7月小売売上高、8月NY連銀製造業業況指数、6月NAHB住宅市場指数、水曜日に7月住宅着工件数、FOMC議事要旨(7月25-26日分)、木曜日に新規失業保険申請件数、7月景気先行指数などが注目される。
     
 今晩は主要な経済指標や企業の決算発表はなし。(執筆:8月14日、14:00)
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