株式明日の戦略-大幅安も32000円は割り込まず、一段安を回避できるか

 14日の日経平均は大幅反落。終値は413円安の32059円。三連休明けは小幅安からのスタートとなったが、場中の振れ幅は大きくなった。序盤では下を試した後に切り返し、プラス転換から上げ幅を3桁に広げた。しかし、32600円台までで買いが一巡すると、急失速してマイナス転換。米長期金利の上昇を受けて半導体株などグロース株が弱く、前場のうちに下げ幅を300円超に広げた。後場に入っても下押し圧力の強い地合いが継続。節目の32000円は割り込まなかったものの、400円を超える下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆6600億円。業種別ではガラス・土石、パルプ・紙、小売などが上昇した一方、鉱業、不動産、機械などが下落した。1Qが大幅な営業増益となり、併せて自己株取得も発表したゼンショーホールディングス<7550.T>が急騰。半面、1Qが大幅な営業赤字となったイーレックス<9517.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり621/値下がり1167。リクルートHDや楽天Gが決算を材料に大幅上昇。1Qが大幅増益となり、1:3の株式分割、増配、自己株取得を併せて発表したマツキヨココカラが上場来高値を更新した。上方修正を発表した藤田観光が急騰。1Qの好決算が確認できたライフドリンクが一時ストップ高となり、ゲオHDがストップ高。1Qで営業黒字転換を達成した河西工業がストップ高比例配分となった。

 一方、アドバンテストやソシオネクストなど半導体株が大幅安。1Q決算を発表した東京エレクトロンも押し目は拾われたが下落で終えた。指数寄与度の大きいファーストリテイリングとソフトバンクGの下げが大きく、ソニーGも弱さが目立った。三菱地所や住友不動産など不動産大手が決算を材料に大幅安。1Qが大幅な減益となったミマキエンジニアリングが急落し、1Qの最終赤字や株主優待の見送りを発表したJFLAHDがストップ安比例配分となった。

 日経平均は大幅安。米長期金利の上昇を受けてグロース株の下げ度合いが大きくなったが、序盤では買われていたバリュー株も弱くなったことから、次第に買えるものが乏しい状況になり、値幅を伴った下げとなった。安値は32031円で、32000円は割り込まなかったことから、ここで売り一巡感が出てくるかどうか。日足チャートを見ると、25日線(32500円、14日時点)に迫りながら、これを明確に超えられずに実体の長い陰線を形成している。きょうで決算発表が概ね出そろうだけに、もう一段下げてしまうと手じまい売りが急がれやすくなる。グロース株の反転に期待したいところだが、目先は米国の長期金利が大きく低下しそうな要素が乏しい。バリュー株やインバウンド株など非グロース株に改めての買いが入るかが注目される。
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