株式明日の戦略-大幅高スタートも伸び悩む、あすは様子見姿勢が強まるか

 15日の日経平均は反発。終値は178円高の32238円。米国で半導体株に強い動きが見られたことを好感して、寄り付きから300円を超える上昇。アドバンテスト<6857.T>や東京エレクトロン<8035.T>など主力の半導体株に資金が向かった。ただ、半導体株の多くが高く始まった後は伸び悩んだことから、指数も場中は上値が抑えられた。一方で、上げ幅を縮めてくると盛り返す動きが見られたことから、下値も限定的。32200円~32300円近辺でもみ合う時間帯が長かった。終盤にかけては下げに転じる半導体株も出てきたことから、3桁高ではあったものの安値圏で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆0600億円。業種別では海運、鉄鋼、その他金融などが上昇した一方、ガラス・土石、石油・石炭、金属製品などが下落した。通期の見通しを引き上げた日機装<6376.T>が急騰。半面、1Qが減益着地となったシチズン時計<7762.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1061/値下がり715。伸び悩みはしたものの、アドバンテストや東京エレクトロンが上昇。前日弱かったファーストリテイリングのほか、日本郵政や日本製鉄など市況系バリュー株の主力どころに強い動きが見られた。自己株取得を発表した日本郵政が4.9%高。荏原製作所、光通信、チェンジHDなどが決算を受けて急伸し、上方修正を発表したメドレーがストップ高となった。

 一方、ソシオネクストは高く始まった後ものの買いが続かず下落。売買代金上位銘柄ではダイキンやメルカリなどが弱かった。決算発表延期を発表して前日にストップ安となったAbalanceは、売りが止まらず12.2%安。電通G、ダブルスコープ、オープンハウスなどが決算を材料に急落し、今期の大幅減益計画が嫌気されたブシロードが場中値付かずのストップ安比例配分となった。

 日経平均は反発。エヌビディアなど米半導体株の上昇が支援材料となったが、国内半導体株の寄った後の動きが案外で、上値は抑えられた。米国の長期金利が高水準で推移しているうちは、グロース株には腰の入った買いは入りづらい。半導体株以外のグロース株に好影響は波及しておらず、マザーズ指数は下落している。ここからしばらくは、米国の長期金利上昇を警戒しつつ、きょうのように時々揺り戻しが発生するといった動きが続きそうだ。あす16日の米国では、7月開催のFOMC議事録が公表される。7月会合では利上げが再開されたが、この時の議論から次回会合の手がかりが得られるかどうかが注目される。あすの日本株は議事録公表を前に、様子見姿勢が強まると予想する。
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