NYマーケットダイジェスト・15日 株安・金利上昇・ドルもみ合い

(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.57円(前営業日比△0.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.78円(△0.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0905ドル(▲0.0001ドル)
ダウ工業株30種平均:34946.39ドル(▲361.24ドル)
ナスダック総合株価指数:13631.05(▲157.28)
10年物米国債利回り:4.21%(△0.02%)
WTI原油先物9月限:1バレル=80.99ドル(▲1.52ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1935.2ドル(▲8.8ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円はほぼ横ばい。予想を上回る7月米小売売上高をきっかけにドル買いが先行すると一時145.82円付近まで値を上げたものの、同時に発表された8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を下回ったが分かるとすぐに失速した。日本時間夕刻に付けた年初来高値145.87円がレジスタンスとして意識された面もあった。市場では「政府・日銀が昨年9月に為替介入に踏み切った145円台後半では介入警戒感が強まっている」との声も聞かれた。
 その後発表された8月米NAHB住宅市場指数が予想より弱い内容となったことが分かると一段とドル売りが進み、24時前には145.11円と日通し安値を更新した。
 ただ、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを打ち止めにするとの観測が後退する中、米長期金利が上昇傾向を維持すると再びドル買いが優勢に。145.00円に観測されているオプション絡みの買いも相場を下支えし、4時過ぎには145.67円付近まで持ち直した。

・ユーロドルもほぼ横ばいだった。予想を上回る米小売指標を受けて一時1.0898ドルと日通し安値を付けたものの、そのあとは低調な米指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進み、1.0953ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、前日の高値1.0961ドルが目先レジスタンスとして働くと再び弱含んだ。米金利上昇に伴うドル買いも根強く、4時30分過ぎには1.0899ドル付近まで押し戻された。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「インフレ率は現在、鈍化しつつある。順調な進展を一定程度遂げてきた」と述べた一方、「インフレ率は依然として高過ぎる」との認識を示した。

・ユーロ円は3日ぶりに小反発。欧州時間に一時159.34円と2008年8月以来15年ぶりの高値を付けたものの、NYの取引時間帯に入ると上値が重くなった。ダウ平均が一時400ドル近く下落するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが入り、一時158.69円付近まで下押しした。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。FRBが利上げを打ち止めにするとの観測が後退する中、米長期金利が上昇傾向を強めると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが優勢となった。格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリストが「大手米銀を含む70行以上を格下げする可能性がある」と警告したことも投資家心理を冷やした。中国景気の先行き不安も相場の重しとなり、指数は一時400ドル近く下げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。7月米小売売上高が予想を上回ったことで、米金融引き締めが長期化するとの観測が強まると売りが広がった。利回りは一時4.2681%前後と昨年10月以来の高水準を付けた。
 8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数や8月米NAHB住宅市場指数が予想を下回ったことで買い戻しが進む場面もあったが、戻りは鈍かった。

・原油先物相場は続落。この日発表された中国の7月鉱工業生産・小売売上高が予想を下回るなど、最近の中国経済指標は景気の鈍化懸念を強めており、エネルギー消費大国である中国の需要減退が懸念され、原油相場は続落した。

・金先物相場は7日続落。米引き締め継続の観測で、米長期金利の上昇傾向が続いており、金利のつかない資産である金は続落。金の消費大国である中国の景気不安も金の売りを後押した。


(中村)
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