NYマーケットダイジェスト・9日 株続落・原油高・円安

(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.73円(前営業日比△0.35円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.76円(△0.66円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0974ドル(△0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:35123.36ドル(▲191.13ドル)
ナスダック総合株価指数:13722.02(▲162.30)
10年物米国債利回り:4.01%(▲0.01%)
WTI原油先物9月限:1バレル=84.40ドル(△1.48ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1950.6ドル(▲9.3ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比)   ▲3.1%     ▲3.0%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。イタリア政府が前日の株式市場混乱の収拾を図るため、銀行の「超過利潤」に課す新税の縮小を表明するとイタリア株中心に欧州株相場が反発。投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いが先行した。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円売りのフローが観測されると、一時143.73円まで値を上げた。
 フィキシング通過後は米10年債利回りが低下に転じたことが相場の重しとなったほか、3日の高値143.89円がレジスタンスとして意識されたため、伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。4時30分前には一時143.75円と日通し高値を更新した。

・ユーロドルは3日ぶりに反発。イタリア政府は銀行の「超過利潤」に課す新税の一部を撤回し、多くの銀行にとって影響を抑制する措置を導入すると表明。前日に大幅安となっていた欧州の主要株価指数が反発すると、投資家のリスク回避姿勢が後退しユーロ買いが優勢となった。23時過ぎには一時1.0995ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、買い一巡後はもみ合いに転じた。明日10日の7月米消費者物価指数(CPI)や11日の7月米卸売物価指数(PPI)など、注目度の高い米経済指標の発表を控えて様子見ムードが広がった。NY時間の値幅は0.0033ドル程度と比較的小さかった。

・ユーロ円は3日続伸。イタリア株中心に欧州株相場が反発すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し、円売り・ユーロ買いが優勢となった。24時前に一時157.90円と本日高値を更新した。その後の下押しも157.48円付近にとどまった。

・メキシコペソは堅調だった。WTI原油先物相場が昨年11月以来9カ月ぶりの高値を更新すると、産油国通貨とされるメキシコペソに買いが入った。ドルペソは一時17.0497ペソ、ペソ円は8.43円までペソ高に振れた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。明日10日の7月米CPIを前に買い控えムードが広がる中、主力ハイテク株を中心に売りが集まった。中国経済の弱さを意識させる経済指標の発表が相次いでいることも投資家心理の悪化につながり、一時250ドル超下げた。前日の米格付け会社ムーディーズによる米銀格下げで、金融株にも売りが続いた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。明日10日の7月米CPIの発表を前に様子見ムードが広がる中、小幅に買いが入った。なお、10年債入札については「無難」との見方が多かった。

・原油先物相場は続伸。米エネルギー省(EIA)発表の週間石油在庫(8/4時点)で原油在庫は+585.1万バレル(前週 -1704.9万バレル)と積み増しに転じた。しかしガソリン在庫は-266.1万バレル(前週 +148.1万バレル)と取り崩しに転じ、中間留分(含む暖房油)の在庫は-170.6万バレル(前週 -79.6万バレル)と取り崩しが続いたことが下支えとなった。

・金先物相場は3日続落。昨日のリスク要因とみなさたイタリア政府による銀行の「超過利潤」に課す新税が一部撤回されたことで市場のリスク回避姿勢が後退。欧州株は買われ、リスク回避資産である金に買いが集まりにくい状態になった。欧州債金利が上昇したことも金利が付かない資産である金への投資妙味低下を意識させた。米株が下落して米金利は低下したが反発は限定的で、金下落の流れは止まらなかった。

(中村)
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