東京為替見通し=ドル円、円買い介入を引き続き警戒 NZドルはRBNZ政策に注目

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を上回る7月米小売売上高を受けて145.82円付近まで上昇したものの、その他の米経済指標が弱かったことで伸び悩んだ。ユーロドルは1.0898ドルまで下落後、1.09ドル半ばまで反発した。ユーロ円は欧州時間の高値159.34円から158.69円付近まで下落した。軟調な米株が重しとなった。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、引き続き本邦通貨当局のドル売り・円買い介入に警戒する展開となる。

 昨年9月22日にドル円が145.90円まで上昇した局面で本邦通貨当局は、ボラティリティー抑制を名目にした第1弾の円買い介入(2兆8382億円)を断行。ボラティリティーを反映するボリンジャー・バンド+2σは146.12円に位置していた。昨日のドル円は145.87円まで上昇しており、本日のボリンジャー・バンド+2σは146.43円付近に位置していることで、146円台に向けて上昇する局面では注意が必要かもしれない。

 昨日、鈴木財務相は、「為替市場の動向は高い緊張感を持って注視。行き過ぎた動きには適切に対応。投機筋の動きがあれば、企業の将来的経営計画や家計にも影響」と円安を牽制。この投機筋への言及は、昨年9月22日の介入後の発言「投機による過度な変動を見過ごすことはできない」を彷彿とさせるものであり、「断固たる措置」という介入前の常套警告は発せられていないものの、警戒しておきたい。

 11時に発表されるニュージーランド準備銀行(RBNZ)の政策金利は、5.50%での据え置きが予想されている。

 先月の金融政策決定会合では、据え置きが決定され、これまでの利上げが想定通りに支出を抑制しインフレ圧力を弱めているとの認識が示された。RBNZはインフレ抑制のため、2021年10月以降、5.25%の利上げを実施して、5.50%に至っている。

 NZのインフレ率は鈍化傾向にあり、現在は昨年のピーク7.3%から6.0%まで減速した。この大幅な利上げを受けて、ニュージーランド経済は急激に冷え込んでおり、昨年第4四半期と今年第1四半期の2四半期連続でマイナス成長となり景気後退(リセッション)に陥っている。本日は予想通りに据え置きが発表された後の声明で、利下げ時期への言及などに注目か。



(山下)
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