東京為替見通し=ドル円は米債利回り低下で続落か、RBNZは5%へ利上げ見通し

 4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、2月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が993.1万件まで減少したことで、米10年債利回りの3.3312%前後までの低下に連れて131.52円まで下落した。ユーロドルは1.0973ドルまで上昇。ユーロ円は欧州序盤の高値145.43円から143.96円まで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米2・10年債利回りの低下を受けて続落が予想され、NZドルはNZ準備銀行(RBNZ)理事会での金融政策と声明に注目する展開となる。

 3日は、3月米ISM製造業景気指数は46.3(2月47.7)、雇用指数は46.9(2月49.1)、物価指数は49.2(2月51.3)へ悪化し、国内総生産(GDP)に換算すると-0.9%になることが発表された。
 昨日4日は、2月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が、2021年5月以来の低水準となる993.1万件まで減少し、パウエルFRB議長が注視している失業者1人に対する求人件数は1.67件に減少して、21年11月以来の少なさを記録した。

 労働市場の逼迫感が緩和されたことで、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での据え置き確率が高まっており、ドルは全面安の展開となっている。
 米国の労働市場の状況は、7日に発表される3月の雇用統計を待つことになるが、今夜発表される3月ADP全米雇用報告に要注目となる。

 ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析では、三役逆転の強い売りシグナルが点灯しており、3月31日に発生した雲のねじれが、ドル高からドル安への「変化日」になった可能性に警戒しておきたい。

 11時に発表されるRBNZの政策金利は、4.75%から5.0%への追加利上げが見込まれている。2月の利上げを決定した声明文では、「金融状況をさらに引き締め続ける必要がある(need to tighten further)。金融政策の使命を達成するため、引き続き強い決意を示した」と表明された。シルクRBNZ総裁補も「政策金利が2023年後半にかけて5.5%でピークに達するとのRBNZ見通しには上振れリスクがある」と述べている。
 3月22日のFOMC声明では「may be appropriate」とハト派的な利上げとなり、昨日の豪準備銀行(RBA)理事会の声明は、「may well be needed」というハト派的な据え置きが決定された。RBNZ理事会の声明では、「may」というハト派的な文言の有無を確認することになる。

(山下)
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