東京為替見通し=本邦インフレ率をまず確認、ドル円は米金利に振らされる展開続く
23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことで131.66円まで上昇。しかしその後、リスク回避の動きが強まると130.32円まで売られた。ユーロは上値重く、対ドルで1.0825ドル、対円では141.16円まで下値を広げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日本の2月のコア消費者物価指数をまずは見極めたい。ただしドル円は依然として米金利に敏感に反応しており、時間外の米・中長期債利回りの動向に連れた展開が予想される。
8時30分発表の2月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は、前年比+3.1%予想と、1月の前年比+4.2%から低下見込み。政府による電気代・ガス代の価格抑制策(電気・ガス価格激変緩和対策事業)が2月分から反映されることが伸び率鈍化の要因。先行指標となる同月東京都区部CPIでは、エネルギー価格の低下を受けコア前年比上昇率は前回+4.3%から+3.3%まで減速していた。
なお今年1月のCPI(2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104.3となり、前年比で4.2%上昇し、第2次石油危機の影響で物価が上がっていた1981年9月に並ぶ41年4カ月ぶりの上昇率だった。
日本のインフレ率の伸び率鈍化は円売り要因となるものの、現状は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ休止観測を受けたドル売り・円買いが優勢となりつつある。地合いとしては、本邦CPIが予想を上回った場合を警戒しておきたい。
ところでイエレン第15代FRB議長とパウエル第16代FRB議長による、2021年の政策金利を巡る相反する発言に続き、金融安定化を巡る相反する発言が市場を混乱させている。
22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、パウエルFRB議長は「銀行システムの安全性と健全性などを維持するため、当局のツール全てを活用する用意がある」と述べたことで、NY株式市場は上昇した。
しかし、イエレン米財務長官が22日の上院での証言で「銀行システムを安定化させるために全面的な預金保険の提供を規制当局が検討していることはない」と述べたことで、NY株式市場は下落した。昨日の下院での証言では「正当化される場合、当局には預金保護で追加措置を講じる用意がある」と述べている。
この両者の相反する発言は、2021年にも政策金利を巡って起きている。
2021年5月、イエレン米財務長官は「アメリカ経済が過熱しないよう確実を期するには、金利はやや上昇せざるをえないかもしれない」とタカ派的な発言をした。一方、パウエルFRB議長は、「テーパリング実施の条件がそろうまでに相応の時間(some time)を要する」とハト派的な発言をしていた。
結果的には、パウエルFRB議長が「インフレ高進は一時的」と見誤ったことで、政策金利引き上げは2022年3月まで待たなければならなかった。
イエレン米財務長官は、2014年のFRB議長就任後の記者会見で、声明文「量的緩和策終了後からゼロ金利を解除するまでの間に『かなりの時間』の長さがある」の「かなりの時間」の長さを尋ねられた時、「6カ月」と具体的数字を口にしてしまった。
今回のイエレン米財務長官の発言は、本音なのかもしれないが、バイデン米政権の建前に反しているのかもしれない。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、日本の2月のコア消費者物価指数をまずは見極めたい。ただしドル円は依然として米金利に敏感に反応しており、時間外の米・中長期債利回りの動向に連れた展開が予想される。
8時30分発表の2月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は、前年比+3.1%予想と、1月の前年比+4.2%から低下見込み。政府による電気代・ガス代の価格抑制策(電気・ガス価格激変緩和対策事業)が2月分から反映されることが伸び率鈍化の要因。先行指標となる同月東京都区部CPIでは、エネルギー価格の低下を受けコア前年比上昇率は前回+4.3%から+3.3%まで減速していた。
なお今年1月のCPI(2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104.3となり、前年比で4.2%上昇し、第2次石油危機の影響で物価が上がっていた1981年9月に並ぶ41年4カ月ぶりの上昇率だった。
日本のインフレ率の伸び率鈍化は円売り要因となるものの、現状は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ休止観測を受けたドル売り・円買いが優勢となりつつある。地合いとしては、本邦CPIが予想を上回った場合を警戒しておきたい。
ところでイエレン第15代FRB議長とパウエル第16代FRB議長による、2021年の政策金利を巡る相反する発言に続き、金融安定化を巡る相反する発言が市場を混乱させている。
22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、パウエルFRB議長は「銀行システムの安全性と健全性などを維持するため、当局のツール全てを活用する用意がある」と述べたことで、NY株式市場は上昇した。
しかし、イエレン米財務長官が22日の上院での証言で「銀行システムを安定化させるために全面的な預金保険の提供を規制当局が検討していることはない」と述べたことで、NY株式市場は下落した。昨日の下院での証言では「正当化される場合、当局には預金保護で追加措置を講じる用意がある」と述べている。
この両者の相反する発言は、2021年にも政策金利を巡って起きている。
2021年5月、イエレン米財務長官は「アメリカ経済が過熱しないよう確実を期するには、金利はやや上昇せざるをえないかもしれない」とタカ派的な発言をした。一方、パウエルFRB議長は、「テーパリング実施の条件がそろうまでに相応の時間(some time)を要する」とハト派的な発言をしていた。
結果的には、パウエルFRB議長が「インフレ高進は一時的」と見誤ったことで、政策金利引き上げは2022年3月まで待たなければならなかった。
イエレン米財務長官は、2014年のFRB議長就任後の記者会見で、声明文「量的緩和策終了後からゼロ金利を解除するまでの間に『かなりの時間』の長さがある」の「かなりの時間」の長さを尋ねられた時、「6カ月」と具体的数字を口にしてしまった。
今回のイエレン米財務長官の発言は、本音なのかもしれないが、バイデン米政権の建前に反しているのかもしれない。
(山下)