NYマーケットダイジェスト・16日 株安・金利上昇・原油安・ドル高

(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.35円(前営業日比△0.78円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.22円(△0.44円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0879ドル(▲0.0026ドル)
ダウ工業株30種平均:34765.74ドル(▲180.65ドル)
ナスダック総合株価指数:13474.63(▲156.42)
10年物米国債利回り:4.25%(△0.04%)
WTI原油先物9月限:1バレル=79.38ドル(▲1.61ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1928.3ドル(▲6.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比)   ▲0.8%      ▲3.1%
7月米住宅着工件数         145.2万件    139.8万件・改
   建設許可件数         144.2万件    144.1万件・改
7月米鉱工業生産指数(前月比)     1.0%      ▲0.8%・改
設備稼働率              79.3%      78.6%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は上昇。米長期金利が上昇傾向を強める中、5時前に一時146.41円と昨年11月以来9カ月ぶりの高値を更新した。
 米連邦準備理事会(FRB)が発表した7月米鉱工業生産が予想を上回ったことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。7月25-26日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「大半の当局者はインフレに著しい上振れリスクがあるとみている」「インフレリスクによりさらなる金融引き締めが必要となる可能性がある」との見解が示されると、FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が高まりドル買いが加速した。
 なお、市場では「夏季休暇で取引参加者が減少しており、市場流動性が低下。薄商いとなる中、値が振れやすい面がある」との声が聞かれたほか、「円安に歯止めをかけるため、政府・日銀が為替介入に踏み切るかどうかが焦点となっている」との指摘があった。

・ユーロドルは下落。独10年債利回りが2.65%台まで低下した一方、米10年債利回りが4.27%台と昨年10月24日以来の高水準を記録すると、欧米金利差拡大への思惑からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。4時30分前に一時1.0872ドルと7月7日以来の安値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.53と7月6日以来の高値まで上昇した。

・ユーロ円は続伸。ユーロドルの下落につれた売りが出たものの、ドル円の上昇につれた買いが入ると一時159.26円と日通し高値を更新した。
 ポンド円は一時186.34円と2015年12月以来7年8カ月ぶりの高値を更新した。前日の4-6月の賃金上昇率(ボーナスを除く)や本日の7月英消費者物価指数(CPI)を受けて、英中銀(BOE)による追加利上げ観測が高まると円売り・ポンド買いが広がった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。しばらくは一進一退の展開が続いていたが、7月25-26日分のFOMC議事要旨で「インフレ次第では追加利上げの可能性がある」との見解が示されると、米金融引き締め長期化への警戒から売りが広がった。米長期金利が上昇傾向を強めたことで、株式の相対的な割高感が意識された面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落。中国で今週2度目の値下げに踏み切った電気自動車(EV)のテスラへの売りが続いた。

・米国債券相場で長期ゾーンは5日続落。予想を上回る7月米鉱工業生産を受けて売りが先行。7月25-26日分のFOMC議事要旨で一段の金融引き締めの可能性が示唆されると売りが加速した。利回りは一時4.2760%前後と昨年10月24日以来の高水準を付けた。

・原油先物相場は3日続落。中国経済の先行き不透明感の高まりを背景とした原油売りが継続した。また、為替相場でドル高が進んだこともドル建ての原油に割高感が生じ、売りを後押した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した在庫統計で、原油在庫は予想以上に減少したが、ガソリン在庫は予想ほど減少せず、まちまちの結果に反応は限られた。

・金先物相場は8日続落。根強いインフレ高懸念で米利上げ局面が長期化するとの思惑で、米長期金利の上昇が続いており、金利が生じない金は売りが継続。為替相場でドル高の流れが続いていることもドル建てで取引される金の割高感につながっていることも、金の上値を重くした。


(中村)
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