株式明日の戦略-持ち直すも連日の3桁下落、あす反転できるかが重要に

 17日の日経平均は続落。終値は140円安の31626円。米国株安を受けて下げて始まると、しばらくは下を試す流れが続いた。全面安の様相が強まる中、節目の31500円を割り込み、一気に下げ幅を400円超に拡大。31300円台に突入した。10時台半ば辺りで売りが一巡すると、そこからは戻りを試しに行き、13時近辺では31700円台を回復。ただ、そこからは先は押し目買いが続かず失速し、以降は方向感に欠ける動きが続いた。乱高下したものの、寄り付き(31621円)付近で取引を終了。マザーズ指数は年初来安値を下回る場面があったが、日経平均と歩調を合わせて盛り返し、安値更新は回避した。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆2900億円。業種別では銀行、保険、ゴム製品などが上昇している一方、精密機器、卸売、鉄鋼などが下落した。7月度の月次が良好な内容となったイオンファンタジー<4343.T>が大幅上昇。半面、2日連続でストップ安比例配分となっていたモンスターラボホールディングス<5255.T>は、きょうも売りが止まらず9.3%安と大きく下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり561/値下がり1214。三菱UFJや三井住友など銀行株が上昇。トヨタ、ソニーG、東京エレクトロンなど主力ど真ん中銘柄がプラスで終えた。タカ派色の強いFOMC議事録を受けて米国の長期金利は上昇したが、三井不動産や三菱地所など不動産株にはしっかりとした動きが見られた。オープンハウスがTOBを材料に大幅高となり、TOBの対象となった三栄建築設計が急伸。三栄建築設計の子会社メルディアDCはストップ高比例配分となった。

 一方、ソシオネクストやアドバンテストなど半導体株が軟調。景気悪化懸念が意識される中、三井物産、三菱商事、丸紅など商社株が強めに売られた。前日引け後には7月の訪日外客数が発表されて中身も良かったが、インバウンド関連への好影響は限定的。肩透かしとなった格好で三越伊勢丹、マツキヨココカラ、資生堂など大きく下げるものが散見された。決算が失望を誘った総医研HDが14%安。前日リリースを材料にストップ高となったサイフューズが一転急落した。

 日経平均は続落。大きく下げた後は持ち直したが、戻したところで売り直されており、これで下げ止まったといった印象はまだない。序盤で400円超下げた場面では、グロース、バリュー、内需、外需問わず売られており、日本株から資金が離散しているような雰囲気もあった。米国株は7月FOMCの議事録を確認して売られたところを見ると、ジャクソンホール会合に向けて警戒感の強い地合いが継続しそうでもある。あす強い反発が見られないと、来週にかけては投資家の握力が弱くなってもう一段下を見に行く展開も想定される。きょう(終値:31626円)の時点で75日線(31917円、17日時点、以下同じ)や13週線(32347円)を大きく下回っており、これらにどれだけ近づいて週を終えることができるかがあすの焦点となる。
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