株式明日の戦略-安値引けでチャートも悪化、FOMC議事録は流れを変える材料となるか

 16日の日経平均は大幅反落。終値は472円安の31766円。米国株の大幅安を嫌気して、寄り付きから200円を超える下落。節目の32000円を割り込んだ。場中は32000円は超えられず、下げ幅を広げては幾分戻すといった動きを繰り返した。前場では31900円近辺でもみ合う時間が長かったが、後場に入ると下押し圧力は強い一方で、戻りは鈍くなった。終盤にかけての動きが弱く、400円を超える下落で安値引けとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆1400億円。業種別ではプラスは建設、電気・ガス、水産・農林の3業種のみ。一方、石油・石炭、卸売、鉄鋼などの下げが大きかった。本日の「WBS(ワールドビジネスサテライト)」で会社が紹介されることをリリースしたサイフューズ<4892.T>がストップ高。半面、今24.6期の大幅減益計画を提示したデュアルタップ<3469.T>は、場中に値が付かずストップ安比例配分となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり360/値下がり1425。アドバンテストやディスコなど半導体株の一角が上昇。直近で大きく売られていたメルカリに見直し買いが入った。ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社が米住宅大手株を取得したことを手がかりに、米国で住宅販売を展開する住友林業が大幅高。大和ハウスや積水ハウスなど住宅大手にも資金が向かった。ほか、月次の好調が確認できたパーク24やひらまつが急伸した。

 一方、米国で格下げ懸念から金融株が売られた流れを受けて、三菱UFJが3%近い下落。銀行株はメガ・地銀含めて軒並み安となった。原油安を嫌ってINPEX、出光興産、富士石油などが大幅安。原油安の要因の一つが中国懸念であったことから、ハーモニックや安川電機など中国関連とみられている銘柄の下げが大きくなった。日本製鉄など鉄鋼株も中国懸念から軒並み安。ほか、ダイコク電機や円谷フィールズなど遊技機関連に大きく値を崩すものが散見された。

 日経平均は大幅安。32000円より下では押し目を拾う動きも見られたが、後場に入ると持ちこたえられず、ズルズルと下げ幅を広げた。7月12日の安値(31791円)を下回り、終値(31766円)では75日線(31875円、16日時点)を下回った。決算発表が出そろって材料難となったタイミングでテクニカルの節目を割り込んでおり、流れは悪い。8月に入ってから米国株の動きが悪く、外部環境もアゲインストとなっている。本日公表される7月のFOMC議事録が注目されるが、これが米国株の売り材料となった場合には、月末のジャクソンホール会合(8/24~26)辺りまで反転の手がかりが乏しくなる。日本株はチャート形状が悪くなっただけに、米国株の切り返し、もしくは米長期金利が低下する展開に期待したいところだ。マザーズ指数も日経平均同様に安値引けとなっており、1月につけた年初来安値(712.42p、1/4、8/16終値は726.50p)に接近してきた。ここで安値を更新してしまうと、大型グロース株にもネガティブな影響が出てくる懸念がある。下げ止まって負の連鎖を断ち切ることができるかに注目したい。
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