株式明日の戦略-続落も33000円割れは回避、FOMC議事録の内容に要注目

 5日の日経平均は続落。終値は83円安の33338円。欧州株安や夜間日経平均先物の弱い動きを嫌気して、大幅安スタート。開始早々に下げ幅を300円超に広げた。心理的節目の33000円に接近したところでは下げ止まり、いったん鋭角的に値を戻した。しかし、プラス圏に迫ったところでは売り直された。月次が弱かったファーストリテイリング<9983.T>のマイナス寄与が大きく、手がけづらさも意識される中、その後は下げ幅を広げてくると押し目買いが入る一方、下げ幅を2桁に縮めると買いが続かなくなり、マイナス圏での一進一退が続いた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆3600億円。業種別では海運、医薬品、保険などが上昇した一方、精密機器、陸運、銀行などが下落した。川崎汽船<9107.T>や商船三井<9104.T>など海運株が地合いの悪い中で大幅上昇。反面、テレビ番組で取り上げられたことで2日連続でストップ高となっていたバイオベンチャーのクオリプス<4894.T>は、きょうも一時17.7%高まで買われたものの、終盤にかけて利食い売りに押され、引けでは6.6%安と乱高下した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり632/値下がり1126。前日急落した第一三共に見直し買いが入って6.8%高。主力どころではソフトバンクG、アドバンテスト、ルネサスなどの動きが良かった。決算が好感されたアスクルが急伸。ネクステージや象印マホービンなど、前日に決算を材料に強く買われた銘柄に追随買いが入った。

 半面、6月の国内ユニクロ既存店月次が前年割れとなったファーストリテイリングが大幅安。一銘柄で日経平均を約94円押し下げた。良品計画、アダストリア、F&LCなども月次を材料に大幅安。半導体株には買われるものもあったが、レーザーテックは3%を超える下落と弱さが目立った。エリッツ、ブリッジコン、クラダシ、ジーデップなど、直近上場株の多くが値幅を伴った下げとなった。

 本日、グロース市場に新規上場したブリーチは、高い初値をつけたものの、終値は初値を大きく下回った。上場2日目で公開価格比3.5倍の初値をつけたエアロエッジは、その後も上値を伸ばし、初値を大きく上回って取引を終えた。

 日経平均は終日軟調。ファーストリテイリング1銘柄で説明のつく下げではあったが、指数は下げ幅を縮めてくると改めての売りが出てくるなど、さえない1日となった。ただ、5日線(33387円、5日時点、以下同じ)こそ割り込んだものの、33000円割れは回避。ローソク足では陽線を形成しており、チャートは崩れていない。仮に33000円を割り込んだとしても、すぐ下には25日線(32844円)が控えており、現状水準より下では押し目買いが入りやすい。

 4日、5日と続落したことから、本日の米国株の反応が大きく注目される。その米国では、5月の製造業受注が発表されるほか、6月開催のFOMC議事録が公表予定。特に注目されるのがFOMC議事録。中身を市場がタカ派的と受け止めるか想定内と受け止めるかで、目先の物色の方向性が大きく変わってくる。タカ派的と受け止められた場合には、金融株にポジティブ、グロース株にネガティブな影響が見込まれる。想定内との受け止めなら、その逆となるだろう。今の日本株は、足元で金融株の動きが良くなっており、グロースの代表格である半導体株も足元の基調は強い。どちらにも対応可能であるだけに、あすは強い反発に期待したい。
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