株式明日の戦略-FOMC結果を受けても静かな1日、あすは米雇用統計を前に様子見か

 2日の日経平均は続伸。終値は55円高の27402円。FOMCでは大方の予想通り0.25%の利上げが決定された。米国株はパウエル議長会見などを手がかりに、3指数がそろって上昇。これを受けて、寄り付きは3桁の上昇となった。しかし、開始早々に上値が重くなり、節目の27500円を超えられずにマイナス転換。ただ、下げたところではすかさず買いが入った。その後は上げ幅を広げてくると押し戻される一方、上げ幅を縮めれば盛り返し、方向感に欠ける動きが続いた。後場に入っても目立った動意はなく、小幅高で終了。値下がり銘柄は結構多く、TOPIXは下落で終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆8900億円。業種別では電気機器、証券・商品先物、精密機器などが上昇している一方、保険、石油・石炭、鉱業などが下落している。通期の利益見通しおよび期末配当見通しを引き上げた合同製鉄<5410.T>が一時ストップ高となるなど急騰。反面、3Qが営業減益となったダイセル<4202.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり524/値下がり1242。ナスダックの動きが良かったことから、アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体株が大幅高。前日急落したレーザーテックも4%近い上昇となった。決算関連では日立や三菱電機など総合電機に強い動きが見られた。今期の増収増益計画が好感された大塚商会や、1月の月間予約受注額が単月で過去最高を更新したと発表したベストワンドットコムが急伸。BYD日本法人と正規ディーラー契約を締結したと発表した靜甲がストップ高となった。

 一方、FOMCを受けて米国の長期金利が大きく低下したことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調。為替がドル安・円高に振れたことから、トヨタ、マツダ、SUBARUなど自動車株が軒並み安となった。下方修正と期末配当見通し取り下げを発表した住友化学が急落し、同業の三井価格に売りが波及。双日が3Q大幅増益でも売られたことから、三井物産や三菱商事など商社株が連想売りに押された。1Qの減益が嫌気されたイーガーディアンが急落し、全市場の値下がり率トップとなった。

 日経平均は小幅高。1日のダウ平均は小幅高ではあったが、場中はFOMCの結果やパウエル議長会見を受けて派手に動いた。一方、これを受けた日本株はきのうまでと同様、27500円近辺では上値が抑えられたが下値も堅く、場中も値幅が出なかった。半導体株はナスダック高にそれなりに強い反応を示したが、マザーズ指数は0.3%高と新興グロース株は盛り上がりに欠け、全体的に肩透かしをくらったような1日。きょうはECB理事会や英国中銀の金融政策発表のほか、米国ではアップル、アルファベット、アマゾン・ドットコムなどの決算発表(いずれも発表は米国市場の引け後)もあり、あすの東京市場では多くの材料を消化することになる。ただ、米1月雇用統計の発表前でもあることから、様子見姿勢も強まりそう。27300円から27500円レベルのもみ合いが続いており、この均衡が崩れた際には、動いた方向に値幅が出るとみておいた方が良い。ただ、もうしばらくは水準が大きく変わることを嫌うかのように、現状近辺での小動きが続く展開も想定される。
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