株式明日の戦略-銀行株と半導体株が大幅高、金利上昇に対する警戒は和らぐか

 22日の日経平均は大幅続伸。終値は291円高の31856円

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1329/値下がり443。米エヌビディアの大幅高を追い風に、アドバンテストとレーザーテックが4%台の上昇。英アームのナスダック上場申請が伝わったソフトバンクGが買いを集めた。米国の長期金利上昇を受けて円安(ドル高)が進んだことから、トヨタやSUBARUなど自動車株が全般堅調。上期の見通しを引き上げたハイデイ日高が年初来高値を更新した。証券会社のリポートを材料にコナミGが大幅高。SBIHDが株式取得を公表したプロジェクトカンパニーが急伸した。

 一方、川崎汽船や商船三井など海運株が軟調。半導体株以外のグロース株には米長期金利上昇が逆風となっており、メルカリ、ビジョナル、エムスリーなどが下落した。JR東日本や京成電鉄など鉄道株が軒並み安。前日に決算を材料にストップ安比例配分となったAbalanceは売りが止まらずストップ安で終えた。

 日経平均は大幅上昇。21日の米国市場では長期金利が上昇したにもかかわらずグロース株が強かったが、これを受けた東京市場では、金利上昇局面で買われやすい銀行株と、本来、金利上昇局面では敬遠されやすい半導体株がそろって大きく上昇した。きょうのような日はイレギュラーとみておいた方が良いが、米国の長期金利上昇を許容しながら、主力銘柄の多くに買いが入ったことは興味深い。引き続き米国の金利動向には神経質となるだろうが、日米株が金利上昇に耐性を示すのであれば、過度な警戒は後退する。米国では23日にエヌビディアの決算発表、24~26日にはジャクソンホール会合が控えているが、これらを前に本日のナスダックがどういった動きを見せるかが注目される。上昇が続くようであれば、グロース株にもう一段の見直し余地が出てくる。その場合には日経平均も32000円の節目を難なく超えてくるだろう。
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