ロンドン為替見通し=トルコ中央銀行の金融政策に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、明日予定されているジャクソンホール会合でのラガルドECB総裁の講演を控えて動きづらい展開の中、ユーロ圏の景況感悪化への警戒感から上値が重い展開が予想される。

 ユーロ圏は、欧州中央銀行(ECB)の利上げにより、年末に向けてリセッション(景気後退)に陥る可能性が警戒されており、8月ユーロ圏製造業PMI速報値は43.7、サービス業PMI速報値は48.3と、依然として景況感の分岐点である50を下回る数字だった。

 ユーロドルのテクニカル分析では、1.1276ドルを頭とするヘッド・アンド・ショルダーの右肩を形成しつつあり、昨日の安値1.0803ドルは攻防の分岐点でもある200日移動平均線1.0802ドルに迫っていた。
 本日も、200日移動平均線を念頭に置き、下値リスクに警戒しながら、明日のラガルドECB総裁とパウエルFRB議長のジャクソンホール講演を待つことになるのかもしれない。

 本日はトルコ中央銀行(TCMB)が政策金利を現行の17.5%から20%へ引き上げることが見込まれている。予想通りに前回と同じ2.5%の利上げ幅になれば、エルカン・トルコ中銀総裁が述べていたように、段階的な利上げと量的な引き締めが粛々と進行していることになる。しかしながら、一方で、トルコ中銀の四半期インフレレポートでは、年末のインフレ見通しを58%まで上方修正しており、実質金利がプラスになるまでは時間がかかるため、トルコリラへの売り圧力は継続するのかもしれない。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0956ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:158.18円(日足一目均衡表・転換線)
・トルコリラ円:5.42円(7/11高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0802ドル(200日移動平均線)
・ユーロ円:156.35円(8/8安値)
・トルコリラ円:5.21(8/4安値)


(山下)
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