株式明日の戦略-大幅安も週間ではプラス、来週は経済指標にらみで方向感が出づらいか

 25日の日経平均は5日ぶり大幅反落。終値は662円安の31624円。

 日経平均は大幅安。大型半導体株が下げを主導した。アドバンテストが全市場の値下がり率トップとなったが、プライム市場ならともかく全市場でトップというのはかなりのレアケース。ちなみにプライムでは値下がり率上位の大半を半導体関連が占めている。きのう24日はエヌビディアが時間外で跳ねたことで半導体関連の強い上昇が期待されたが、「祭り」はそこまで盛り上がらなかった。24日のエヌビディア株は上げ幅を縮めただけで、下げたわけではない。しかし、日本の半導体株の多くは本日、24日に上げた分以上に下落した。下に振れ過ぎの感は強く、来週に修正が入るかが注目される。アドバンテストですら直近の安値は下回っておらず、これで売り一巡感が出てくるのであれば、きょうの逆で半導体株が指数に好影響を与えてくれる展開も期待できる。一方、修正の動きが見られない場合は、TOPIXはともかく日経平均は上値の重い状況がしばらく続くことになるだろう。


【来週の見通し】
 一進一退か。月末月初で日米ともに経済指標の発表が多い。足元では長期金利の動向に株式市場が神経質となっており、指標の結果と債券市場をにらみながらの一喜一憂が続くと思われる。経済指標の中で特に注目されるのが金曜8月1日に発表される米8月雇用統計となるが、この日は8月ISM製造業景気指数の発表も予定されている。日本株は来週も今週同様に、週末の米国の材料を強く意識する週となる。米国の長期金利が落ち着いて楽観ムードが高まったとしても、週後半にかけてはリスク回避の売りが上値を抑えることになるだろう。逆に警戒ムードが高まった場合には、週後半には米雇用統計が反転材料になることを期待した買いが入ると見込まれる。強弱感が入り交じることで、週を通して方向感に欠ける動きが続くと予想する。

【今週を振り返る】
 堅調となった。日経平均は前の週に4桁の下落となった反動で、前半から中盤にかけては押し目を拾う動きが活発となった。エヌビディアが決算発表を前に騰勢を強めたことや、米国の長期金利上昇に一服感が出てきたことなどが追い風となり、木曜24日までは4営業日連続で3桁の上昇。32000円を上回り、32200円台まで上昇した。エヌビディアは好決算を発表し、時間外では強い反応を見せて24日の日本株の上昇にも大きく貢献した。しかし、長期金利が上昇したことで24日の米国市場では半導体株が大幅安。エヌビディアも決算を受けた反応が小幅なプラスにとどまった。これらを受けた25日は、パウエルFRB議長の講演を前にリスク回避姿勢が強まり、600円を超える下落。週末値では32000円を大きく下回った。ただ、それでも木曜までの貯金が多く、週間では上昇した。日経平均は週間では反発となり、約173円の上昇。週足では陽線を形成した。
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