ニューヨーク外国為替市場概況・25日 ドル円、続伸

 25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は146.44円と前営業日NY終値(145.83円)と比べて61銭程度のドル高水準だった。8月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が69.5と予想の71.2を下回ったことが分かると円買い・ドル売りが先行。23時過ぎに一時145.73円と日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議の講演で「追加利上げの是非は慎重に進めていく」としながらも、「追加利上げは適切な場合に実施する用意がある」「インフレの持続的な鈍化まで景気抑制的な政策を維持する」と述べると米金利の上昇とともにドル買いが入った。17日の高値146.56円を上抜けると一時146.63円と昨年11月以来約9カ月ぶりの高値を更新した。
 なお、市場ではパウエル議長の発言について「年内の追加利上げの可能性が改めて示された。タカ派的な内容だった」との声が聞かれた一方、「年内に最後の利上げがあるとみているが、今の引き締めサイクルの終了が近いとも言える」との指摘があった。

 ユーロドルは続落。終値は1.0796ドルと前営業日NY終値(1.0810ドル)と比べて0.0014ドル程度のユーロ安水準だった。低調な米経済指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。パウエルFRB議長の発言が伝わった直後はドル売りで反応し、一時1.0842ドルの日通し高値を付けた。ただ、買い一巡後は再び上値が重くなった。米金利の上昇とともにドル買いが優勢となり、24時前には欧州時間に付けた日通し安値1.0766ドルに面合わせした。ユーロ圏の景気不安から欧州中央銀行(ECB)の追加利上げ観測が後退する中、ユーロ売りが出やすい面もあった。
 なお、ラガルドECB総裁はジャクソンホール会議の講演で「金利を必要なだけ高い水準に設定していく」「インフレ率の低下は適時かつ持続可能である必要」などと語った。

 ユーロ円は続伸。終値は158.03円と前営業日NY終値(157.66円)と比べて37銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、米国株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売りも出て、4時30分前に一時158.25円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:145.73円 - 146.63円
ユーロドル:1.0766ドル - 1.0842ドル
ユーロ円:157.24円 - 158.25円

(中村)
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