NY株見通しー今週は8月雇用統計などの経済指標に注目

 今週のNY市場は米8月雇用統計などの経済指標に注目。先週はダウ平均が0.45%安と2週続落となった一方、S&P500が0.82%高、ナスダック総合が2.26%高とともに4週ぶりに反発した。週末のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を控えて警戒感が強まる中、米10年債利回りの上昇が重しとなったが、水曜日引け後に発表されるエヌビディアの決算への期待を背景にハイテク株の上昇が週半ばまでの相場をけん引した。エヌビディアの5-7月期決算は予想を大きく上回り、8-10月期の大幅増収見通しが示されたが、株価は上場来高値を更新後に失速すると、他のハイテク株にも利益確定売りが強まった。
 
 注目された週末25日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演では追加利上げの可能性が示されたものの、利上げはデータ次第だとする従来の主張が繰り返された。おおむね想定内のパウエルFRB議長発言を受けて25日の取引では主要3指数がそろって0.7-0.9%上昇して終了した。

 今週は労働統計が焦点となりそうだ。火曜日に7月JOLTS求人件数が発表されるほか、週末9月1日には8月雇用統計が発表される。7月JOLTS求人件数は前月分の958.2万件からほぼ横ばいが見込まれている。8月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が+17.5万人と7月分の+18.7万人から鈍化が予想され、失業率は3.5%と前月から横ばいが見込まれている。平均賃金は前月比+0.4%、前年比+4.4%とともに7月分と変わらずが予想されている。

 このほかの経済指標は火曜日に8月消費者信頼感指数、水曜日に4-6月期国内総生産(GDP)改定値、木曜日に7月個人所得・個人消費支出・個人消費支出(PCE)価格指数 が発表される。 FRBがインフレ指標として注目するコアPCE価格指数は前年比+4.2%と、6月分の+4.1%から上昇が見込まれている。 金曜日には、雇用統計のほか、8月ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)も発表され、注目の経済指標の発表が多い週となる。

 最終盤を迎えた第2四半期決算発表はベストバイ、HP、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(以上火曜日)、ブラウン・フォーマン、セールスフォース(以上水曜日)、ダラー・ゼネラル、キャンベル・スープ、ブロードコム(以上木曜日)など。
     
 今晩の米経済指標・イベントは8月ダラス連銀製造業景況指数など。主要な企業の決算発表はなし。

(執筆:8月28日、14:00)
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