株式明日の戦略-続伸も25日線は超えられず、あすの動きが重要に

 29日の日経平均は続伸。終値は56円高の32226円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1221/値下がり538。東電HDが全市場の売買代金ランキングでトップ5入りする大商いとなって5%を超える上昇。同社や関西電、中部電が年初来高値を更新するなど、電力株の動きが良かった。前日軒並み安となったインバウンド関連に見直し買いが入っており、資生堂、高島屋、ラオックスなどが大幅上昇。Sansan、サイボウズ、メドピアなど中堅グロース株に強い動きが見られた。売り出し中止を発表したサカイ引越センターが急伸。ワタミが9.4%高となったほか、かんなん丸や海帆がストップ高となるなど居酒屋株が値を飛ばした。

 一方、アドバンテストやソシオネクストなど半導体株が軟調。ソニーGや村田製作所などハイテク株も下落したものが多かった。システム不具合による国内工場の停止が伝わったトヨタが買い先行からマイナス圏に沈んでおり、マツダやSUBARUなど同業にも売りが波及。新作ゲームのリリースで目先の材料出尽くし感が強まったgumiが4%を超える下落となった。

 日経平均は続伸したが、物足りなさも感じられる1日となった。75日線(32214円、29日時点、以下同じ)や25日線(32276円)などテクニカルの節目を取引時間中には上回っており、これらを明確に超えてくれば上昇に弾みがつきそうであった。しかし、前場の早い時間に高値をつけると、終値(32226円)では25日線を下回った。物色では電力株や不動産株などが強く、米国の金利上昇一服を意識した動きは見られたが、それであれば買われても良い大型グロース株がさえなかった。その一方で市況系のバリュー株は売られており、全体としては相場の主役がはっきりしなかった。米国では金曜に雇用統計の発表が控えており、週後半にかけてはリスク回避ムードが強まる可能性もある。あす強い動きが見られるかどうかが、短期的な方向性を占う意味で大きく注目される。
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