NY為替見通し=序盤の米指標で動意付くか、前回大きく上振れたADPに注目

 本日のニューヨーク為替市場も、序盤に発表される米経済指標で動意付く展開か。日本時間21時台に、金曜日の雇用統計の前哨戦となる8月ADP全米雇用報告、改定値ではあるものの4-6月期米国内総生産(GDP)やコアPCEの結果が明らかになる。

 昨日は米国の弱い経済データを受けて中期を中心に米金利が低下し、為替もドル売りが優勢となった。8月消費者信頼感指数は予想を10ポイント近く下回り、7月JOLTS求人件数は市場が見込んでいた件数から63万件以上も下振れて約2年ぶりの低水準を記録した。

 時間外では米2・10年債の利回りは前日引け水準から上昇したものの、戻りも限られている。一方、145円後半から146円半ばまで反発したドル円の動きを見る限り、下げたところで買いたい人はまだまだ多そうだ。そうなると、米指標のポジティブな結果に対してより敏感に反応しやすいかもしれない。

 前回7月分では予想から大きく上振れたADP全米雇用報告は、8月予想が19.5万人増と3月以来の20万人割れが見込まれている。4-6月期のGDPは前期比年率2.4%とコアPCEは3.8%と速報値からは変わらない見込み。米経済のソフトランディング見通しに変化を与えるような結果となるか注視したい。

 またADPの前にも、8月独消費者物価指数(CPI)速報値が発表される。こちら前年比6.0%予想と2022年3月以来の水準まで鈍化見込み。もし5%台に入り込むようであれば、欧州中央銀行(ECB)の次回会合への思惑に影響してきそうだ。

想定レンジ上限
・ドル円は昨日高値147.37円。
・ユーロ円は22日高値159.49円を超えると心理的節目160円。

想定レンジ下限
・ドル円は昨日安値145.67円。
・ユーロ円は昨日安値158.24円。


(小針)
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