欧州マーケットダイジェスト・30日 株まちまち・金利上昇・ユーロ高

(30日終値:31日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.19円(30日15時時点比▲0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.64円(△0.72円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0920ドル(△0.0053ドル)
FTSE100種総合株価指数:7473.67(前営業日比△8.68)
ドイツ株式指数(DAX):15891.93(▲38.95)
10年物英国債利回り:4.422%(横ばい)
10年物独国債利回り:2.545%(△0.035%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
7月独輸入物価指数
前月比                ▲0.6%     ▲1.6%
前年比                ▲13.2%    ▲11.4%
8月スイスKOF景気先行指数       91.1      92.1・改
7月英消費者信用残高        12億ポンド   16億ポンド・改
7月英マネーサプライM4
前月比                ▲0.5%     ▲0.1%
前年比                ▲0.9%      0.1%
8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)▲16.0      ▲16.0
8月ユーロ圏経済信頼感指数      93.3        94.5
8月独消費者物価指数(CPI)速報値
前月比                0.3%       0.3%
前年比                6.1%       6.2%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。日本株相場の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米長期金利が時間外取引で上昇したことも相場の支援材料となり、17時30分前に一時146.54円と日通し高値を更新した。
 ただ、NYの取引時間帯に入ると失速した。前日公表の7月米JOLTS求人件数に続き、8月ADP全米雇用報告が17.7万人増と予想の19.5万人増を下回り、米労働市場の過熱感の緩和を示唆。米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が一段と後退し、全般ドル売りが優勢となった。その後発表の4-6月期米国内総生産(GDP)改定値や個人消費、コアPCEが予想より弱い内容となったこともドル売りを促し、一時145.56円と日通し安値を更新した。
 もっとも、23時発表の7月米住宅販売保留指数が予想を上回ったことが分かると買い戻しが優勢となり、146.20円付近まで下げ渋った。米国株相場の上昇に伴うリスク・オンの円売りも出た。

・ユーロドルは堅調。8月独消費者物価指数(CPI)速報値が前年比で予想を上回ると、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測が高まりユーロ買いが優勢となった。米雇用指標の下振れを受けて、米長期金利が低下したこともユーロ買い・ドル売りを促し、23時前に一時1.0945ドルと15日以来約2週間ぶりの高値を付けた。

・ユーロ円はしっかり。独インフレ指標が予想を上回ったことで円売り・ユーロ買いが優勢となり、2時前に一時159.69円と2008年9月1日以来約15年ぶりの高値を更新した。米国株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売りも出た。

・ロンドン株式相場は小幅ながら6日続伸。前日の米国株や本日の日本株の上昇を受けて英株にも買いが入った。ただ、足もとで相場上昇が続いているだけに上値は限定的だった。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた。

・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反落。8月独CPI速報値が前年比で予想を上回ったことが分かると、ECBの利上げ継続への警戒感が高まり売りが優勢となった。個別ではRWE(4.71%安)やシーメンス・エナジー(3.34%安)、ポルシェ(1.61%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。独インフレ指標が予想を上回ったことで、「ECBが9月の理事会で追加利上げを決める」との観測が優勢となり、独国債に売りが出た。

(中村)
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