NYマーケットダイジェスト・1日 株まちまち・金利上昇・原油高・ドル一転上昇

(1日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.22円(前営業日比△0.68円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.58円(▲0.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0780ドル(▲0.0063ドル)
ダウ工業株30種平均:34837.71ドル(△115.80ドル)
ナスダック総合株価指数:14031.82(▲3.15)
10年物米国債利回り:4.18%(△0.08%)
WTI原油先物10月限:1バレル=85.55ドル(△1.92ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1967.1ドル(△1.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。米労働省が発表した8月米雇用統計では非農業部門雇用者数が18.7万人増と予想の17.0万人増を上回ったものの、6・7月分の数値が下方修正された。また、失業率は3.8%と予想以上に悪化し、昨年2月以来の高水準を記録。平均時給は前月比0.2%/前年比4.3%といずれも予想を下回った。米労働市場の過熱感の緩和が示されると、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が一段と後退し、米金利の低下とともにドル売りが先行した。22時前には一時144.45円と日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。その後発表の8月米製造業PMI改定値や8月米ISM製造業景況指数、7月米建設支出が軒並み予想より強い内容だったことが分かると米金利の上昇とともに一転ドル買いが広がった。前日の高値146.25円を上抜けて、1時過ぎに146.29円まで上値を伸ばした。
 なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは雇用統計後に付けた4.05%台から4.19%台まで急上昇した。メスター米クリーブランド連銀総裁が「インフレは一定の進展があるものの、依然として高すぎる」「失業率は3.8%と依然として低い」と発言したことも米金利の上昇につながった。

・ユーロドルは続落。低調な米雇用統計を受けて、FRBによる現在の利上げサイクルが終了するとの観測が高まると全般ドル売りが先行。21時30分過ぎに一時1.0882ドルと本日高値を更新した。
 ただ、その後発表の米経済指標が軒並み予想を上回ると、米金利の上昇とともに一転ドル買いが優勢に。5時前には1.0772ドルと本日安値を付けた。

・ユーロ円も続落したが、下値は堅かった。しばらくは157円台後半でのもみ合いが続いていたが、米雇用統計の結果を受けてドル円が下落するとユーロ円にも売りが波及。22時前に一時157.06円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円が上昇するとユーロ円にも買い戻しが入り、157.91円付近まで持ち直す場面があった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。8月米雇用統計の結果が米労働市場の過熱感の緩和を示すと、FRBによる追加利上げ観測が一段と後退し、買いが優勢となった。ダウ平均の上げ幅は一時250ドルを超えた。
 ただ、8月米ISM製造業景況指数が予想を上回り、メスター米クリーブランド連銀総裁のタカ派的な発言が伝わると米長期金利が上昇に転じ、次第に株売りが広がった。指数は下げに転じる場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに小反落。電気自動車(EV)のテスラが5%超下落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。低調な8月米雇用統計を受けて買いが先行したものの、その後発表の8月米ISM製造業景況指数などが予想を上回ると一転下落した。メスター米クリーブランド連銀総裁のタカ派的な発言も相場の重し。

・原油先物相場は7日続伸。中国の8月Caixin製造業PMIが景況の強弱を判断する節目50を上回ったことで、時間外のアジア時間から堅調な動きを見せていた。8月の米雇用統計で失業率が悪化し、平均賃金の伸びも鈍化すると、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送り期待が高まったとの判断で、指標発表後はさらに上げ幅を拡大し昨年11月以来の水準まで上昇した。また、昨日、ノバク露副首相が「ロシアはOPECプラスとさらなる行動を取ることで合意」との発言を受けて、協調減産方針が維持される見通しが高まったことも支えになった。

・金先物相場は小反発。米雇用統計の失業率が市場予想より大幅に弱い結果となると、金先物は米金利低下・ドル安の影響を受けて8月7日以来となる1980ドル台まで上昇した。しかし、その後発表された複数の米経済指標が好結果だったと分かると、一転米金利上昇・ドル高になり、金先物は上げ幅を大幅に削って引けた。

(中村)
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