株式明日の戦略-6日続伸で高値引け、バリュー株の強さが全体に波及

 4日の日経平均は6日続伸。終値は228円高の32939円。米国株は8月雇用統計を消化して3指数がまちまちの反応となったが、ダウ平均やS&P500の上昇を好感して小高く始まった。序盤では値を消す場面もあったが、上げ幅を一桁に縮めたところで改めての買いが入ると、そこからは強い基調が続いた。バリュー株の主力銘柄が上昇をけん引して広範囲に買いが入り、前引け間際には32900円台に乗せた。後場は高値圏でのもみ合いが長く続いたが、終盤にかけて強含み上げ幅を200円超に拡大。TOPIXとともに高値引けとなった。一方、米国では長期金利が上昇してナスダックが弱かったことから、マザーズ指数は小幅ながら下落で終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆2400億円。業種別では全33業種中、32業種が上昇しており、鉄鋼、海運、輸送用機器などが大幅高。空運が唯一下落しており、情報・通信や陸運の上昇が限定的となった。川崎汽船<9107.T>が全市場の売買代金3位となる大商いとなって5%高。連日で年初来高値を更新した。反面、ハナツアー<6561.T>やラオックス<8202.T>などインバウンド関連の一角が、全体株高の流れに乗れず大きく下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1422/値下がり372。トヨタと日本製鉄による鋼板の価格交渉が下期据え置きでまとまったことが報じられたが、株式市場では双方が大幅上昇。神戸鋼やマツダなど、それぞれの同業にも強い買いが入った。三菱商事や三井物産など商社株が軒並み高となり、三菱重工、川崎重工など重工系の銘柄にも強い動きが見られた。1Qの好決算が確認できた伊藤園が12.3%高となり、年初来高値を更新。上方修正を発表したファーストブラザーズが急伸し、こちらも年初来高値を更新した。

 一方、米長期金利の低下やナスダック安を嫌気して、レーザーテック、アドバンテスト、ソシオネクストなど半導体株の多くが下落。ソフトバンクG、ソニーG、リクルートなどグロースの主力銘柄が売りに押された。月次が失望材料となったワークマンが軟調。直近で値を飛ばしていたセイファートが一転急落した。

 日経平均は3桁の上昇。米国動向からバリュー株に追い風、グロース株に向かい風の展開となったが、追い風を受けたバリュー株物色が盛り上がったことで、日本株全体としては強い動きになった。神戸鋼が6.1%高、川崎汽船が5.0%高と売買代金上位のバリュー株が上に値幅が出る一方、きょうのプライムの値下がり率トップはスターティアの4.9%安で、最も弱かった銘柄でも5%程度の下落にとどまっている。グロース株が強い局面では半導体株に資金が集中するが、バリュー株は裾野が広い分、グロース・バリューの色があまりついていない銘柄にも好影響が波及しやすい。

 今晩の米国はレーバーデーにより休場。あすは手がかり難が想定されることから、きょうの反動は一定程度出てくるかもしれない。日経平均は228円高(32939円)で終えたが、あす下げたとしても228円安までにとどまれば強い基調は継続していると言える。下げないのであれば、もたつくことなく33000円は超えてほしいところだ。33000円の節目を突破できるようなら、そのことが新たな買いを呼び込む材料になるだろう。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。