株式明日の戦略-2日連続の高値引け、33000円台回復で目線が上に

 5日の日経平均は7日続伸。終値は97円高の33036円。米国は休場で材料難の地合い。小高く始まり序盤では上を試しに行ったが、節目の33000円を超えたところですぐに失速して下げに転じた。そこから一転して下を試しに行ったが、32800円割れでは押し目買いが入った。10時過ぎ辺りからはマイナス圏で推移しながらも、じわじわと値を戻す展開。後場に入って14時手前でプラス圏に浮上すると、上げ幅を広げて終盤には再び33000円台に到達した。引けにかけてはもう一伸びがあり、終値で33000円を上回り高値引けとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆4800億円。業種別では精密機器、不動産、鉱業などが上昇した一方、鉄鋼、金属製品、医薬品などが下落した。信越化学<4063.T>とパワー半導体の素材を低コストでつくる技術を開発したと日経新聞で報じられた沖電気工業(OKI)<6703.T>がストップ高。半面、8月度の月次が失望を誘ったユナイテッドアローズ<7606.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1076/値下がり671。後場にプラス転換する中で値上がりに転じる銘柄も増加した。日経平均の銘柄入れ替えで新規採用が決まったニトリHDが5.1%高。除外が決まった松井証券は悪材料出尽くしを期待した買いが入り、同じく除外となった三井E&Sと日本板硝子は大幅高となった。海運株の動きが良く、川崎汽船が商いを伴って強い上昇。住友不動産、三井不動産、三菱地所の大手デベロッパー3社がそろって年初来高値を更新した。

 一方、巨額の資金調達観測が伝わったJFEHDが6.1%安。報道を受けて昼休みに会社から海外のファイナンスに関するリリースが出てきており、後場は若干値を戻した。日経平均採用候補と見られていたソシオネクストが大幅安。採用が決まったレーザーテックやメルカリは、強く買われる場面もあったが失速して下落で終えた。トヨタ、日産自、SUBARUなど自動車株が軟調。直近で強く買われていたワイエスフードが、高く始まった後に値を崩して10%を超える下落となった。

 日経平均は7日続伸。きょうのプラスはなかなかのもの。場中はマイナス圏で推移する時間が長かった。また、前日大幅高となった銘柄の一つであるJFEHDが急落しており、これを理由に大型バリュー株が売り込まれても不思議ではなかった。しかし、指数は時間をたっぷりかけて売りを吸収し、最初と最後だけ強い動きを見せて高値引け。きっちり33000円も上回った。鉄鋼株に関しては、しばらくはJFEHDに連れ安して多くが売られていたが、引けではJFEHDを除いては日本製鉄が0.3%安と小幅に下げたくらいで、多くの銘柄が上昇している。

 あすは休場明けの米国株の影響を受けることになるが、2日連続の高値引けはリスク選好ムードを高める。米国株が強ければしっかり連動し、弱くても耐性を示すだろう。日経平均は8月1日の高値33488円を超えることができるかが目先の焦点となる。直近高値を上回れば、6月中旬以降の上値が重かった期間で日柄調整が一巡したとの期待が高まる。物色ではバリュー株がきょう大崩れを回避して値を保ったことから、あす以降も相対的に強い状況が続くと予想する。
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