株式明日の戦略-9日ぶり反落で33000円割れ、5日線はサポートになるか

 7日の日経平均は9日ぶり大幅反落。終値は249円安の32991円。米国株安を受けて、寄り付きから3桁の下落。序盤では下げたところですかさす買いが入ってプラス圏に浮上するなど、押し目を拾う動きが活発となった。ただ、前日まで8日続伸していたこともあり、戻したところでは上値が重くなった。強弱感が交錯して前場は小幅なマイナスで終了。一方、後場は地合いが悪化して売りに勢いがついた。前場では買われていたバリュー株も下げに転じる銘柄が増え、半導体株など前場から売られていたグロース株は一段安。指数は下げ幅を200円超に広げると節目の33000円も割り込み、安値圏で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆6400億円。業種別では鉱業、パルプ・紙、石油・石炭などが上昇した一方、鉄鋼、精密機器、非鉄金属などが下落した。証券会社がレーティングを引き上げたタダノ<6395.T>が大幅上昇。反面、1Qが大幅な減益となったアスカネット<2438.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり629/値下がり1151。ファーストリテイリングが逆行高。後場に入って指数の下げが大きくなる中、NTTやJTなどディフェンシブ性のある銘柄に資金が向かった。三菱重工と川崎重工が連日の大幅上昇。上期の見通しを引き上げた丹青社が急伸し、上方修正と増配を発表したトーホーがストップ高となった。

 一方、米長期金利の上昇を受けてグロース株が売られており、アドバンテストが6.6%安。米アップル株の大幅安を受けて村田製作所や太陽誘電など電子部品株の下げが大きかった。前日ストップ安のネクステージが商いを伴って3%を超える下落。1Qが大幅な営業減益となったナ・デックスやファイナンスが嫌気されたNTNが大幅安となった。

 日経平均は大幅安。前場と後場で雰囲気が変わったが、米国動向からはきょうは200円程度の下げはあって然るべき。前場が健闘したと捉えた方が良い。8日続伸すれば当然短期的な過熱感は出てくるし、そもそもここ数日の日本株の強さに関しては、SQをにらんだイベントドリブン的な動きではないかとの見方もある。きょうの下げで、いったんは上昇ペースが鈍るかもしれない。裏を返せば、あす以降の売り圧力が限定的であれば、足元の基調は相当強いとも考えられる。きょうは33000円を割り込んだが、この近辺に5日線(32983円、7日時点、以下同じ、7日終値は32991円)が位置している。また、これより下には13週線(32535円)が控えている。あすは5日線がサポートとして機能するかに注目したい。
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