NY為替見通し=ドル円、上方向を意識した動きが続くか

 本日のNYタイムでの経済指標は米7月卸売売上高や7月消費者信用残高程度で、結果が方向感につながる可能性は低く、ドル円は基本的に米金利や米株を睨みながらの動きとなる。本日これまでのドル円は5日以来の147円割れしたが再び大台を回復し高値を更新するなど下値の堅い動きとなっている。

 ここに来て、再び鈴木財務相や神田財務官から円安へのけん制発言が伝わっているが、実弾の円買い介入はまだ先との見方が強い。ドル円の介入レベルを150円近辺や150円超えと考える向きが多く、日米金利差を意識した上昇トレンドは続きそうだ。日米の金利差は、低金利の円を借りてきて市場で売り、高金利通貨で運用することで金利差収益を狙う「キャリー取引」が活発化していた2007年前後の水準を上回り、01年以来22年ぶり高水準となっている。

 米景気のソフトランディングの期待が高まる一方で、欧州や中国の景気減速への懸念が強まり、欧州通貨と人民元の軟調な動きもドル高を後押している。オンショア市場で人民元(CNY)は対ドルで2007年以来の安値を更新し、オフショア市場での人民元(CNH)も昨年10月下旬に記録したCNHの過去最安値に迫っている。

 市場では引き続き9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きは織り込みで、年内にあと1回の利上げがあるかどうかは見方が分かれているが、米連邦準備理事会(FRB)が来年早い段階で利下げに転じるとの観測は後退している。金利見通しに絡んだ相場展開が続いており、市場の目線は来週13日に発表予定の8月米消費者物価指数(CPI)に向けられている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは昨日につけた年初来高値147.87円、その上が昨年11月4日高値148.40円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは本日これまでの安値146.59円、その下が日足一目均衡表・転換線146.16円。

(金)
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