NYマーケットダイジェスト・11日 株高・金利上昇・ドル安

(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.59円(前営業日比▲1.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.58円(▲0.62円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0750ドル(△0.0050ドル)
ダウ工業株30種平均:34663.72ドル(△87.13ドル)
ナスダック総合株価指数:13917.89(△156.36)
10年物米国債利回り:4.29%(△0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=87.29ドル(▲0.22ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1947.2ドル(△4.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は反落。週末に掲載された読売新聞による単独インタビューで、植田日銀総裁が「マイナス金利政策の解除を含めいろいろなオプション(選択肢)がある」と語ったことをきっかけに、日銀の大規模金融緩和政策の修正観測が広がると週明け早朝取引から円買いが進行。日本時間夕刻に一時本日安値となる145.91円まで下落した。
 ただ、145円台では押し目を拾いたい向きも多く、20時30分前には146.98円付近まで下げ渋った。米10年債利回りが4.30%台まで上昇したことも相場を下支えした。
 もっとも、NY勢が本格参入する時間帯に入ると146円台半ばで値動きが鈍った。今週予定の8月米消費者物価指数(CPI)や8月米卸売物価指数(PPI)、8月米小売売上高など、インフレや個人消費の動向を示す重要指標の発表を控えて、様子見ムードが強まった。

・ユーロドルは続伸。米長期金利の上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると、21時過ぎに一時1.0716ドル付近まで値を下げた。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.0707ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。14日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前にポジション調整目的の買いも入り、23時30分前には一時1.0759ドルと日通し高値を更新した。
 米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が10日付の記事で、「米連邦準備理事会(FRB)は利上げに慎重になりつつある」との見解を示すと、米金融引き締めが長期化するとの警戒感が緩和。ドル売りを誘った面もあった。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.42まで低下している。

・ユーロ円は反落。日銀の金融政策修正観測の高まりを背景に円高が進むと、日本時間夕刻に一時156.59円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ドル円の持ち直しやユーロドルの上昇につれた買いが入り、一時157.70円付近まで下げ渋った。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が10日付の記事で、「FRBは利上げに慎重になりつつある」との見方を示すと、米金融引き締めが長期化するとの警戒感が和らぎ買いが優勢となった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。モルガン・スタンレーがテスラの投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に上方修正すると、同社株が10%超急伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。日銀の金融政策修正観測の高まりを背景に日本の長期金利が上昇。米債券相場にも売りが波及した。

・原油先物相場は反落。リビア東部での洪水などを背景とした需給ひっ迫懸念を受けて堅調な地合いを維持するも、買いの勢いが一服すると利益確定売りなどに押されて失速した。

・金先物相場は小幅に続伸。対ユーロでドル安が進行した影響で買われたものの、今週発表予定の米経済指標を見極めたいと様子見ムードが広がったこともあり、積極的な買いにはつながらなかった模様である。

(中村)
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