NYマーケットダイジェスト・12日 株安・原油高・ユーロ底堅い

(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.08円(前営業日比△0.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.18円(△0.60円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0754ドル(△0.0004ドル)
ダウ工業株30種平均:34645.99ドル(▲17.73ドル)
ナスダック総合株価指数:13773.61(▲144.28)
10年物米国債利回り:4.28%(▲0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=88.84ドル(△1.55ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1935.1ドル(▲12.1ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は反発。対欧州通貨を中心にドルが底堅く推移する中、米10年債利回りが上昇に転じたタイミングで円売り・ドル買いが強まり一時147.23円と日通し高値を更新した。ただ、米10年債利回りが再び低下に転じると伸び悩んだ。前日の高値147.28円が目先レジスタンスとして意識された面もあった。
 もっとも、明日13日に公表される8月米消費者物価指数(CPI)で足もとのインフレ動向を確認したいとの思惑から積極的な商いは手控えられたため、大きな方向感は出なかった。

・ユーロドルは小幅ながら3日続伸。欧州時間発表の独経済指標がさえない内容だったことを受け、独経済成長が減速するとの懸念が高まるとユーロ売り・ドル買いが先行。22時過ぎに一時1.0706ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、節目の1.0700ドルや前週末の安値1.0694ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。今週14日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控える中、関係者の話として「ECBは2024年のユーロ圏インフレ率を3%超に高止まりすると見込む」との報道が伝わると、利上げへの思惑からユーロ買いが活発化。取引終了間際に一時1.0765ドル付近まで値を戻した。
 なお、エコノミスト調査ではECBが政策金利を据え置くとの予想と、0.25%の利上げを実施するとの予想はほぼ拮抗しており、市場関係者からは「ECBは14日の理事会で利上げを巡る難しい判断を迫られる」との指摘があった。

・ユーロ円は反発。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出たあとは、ECB理事会絡みの報道でユーロ買いが優勢となった。取引終了間際に一時158.29円と本日高値を更新した。

・カナダドルは堅調。WTI原油先物価格が昨年11月以来10カ月ぶりの高値を更新すると、産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった。対米ドルでは1.3544カナダドル、対円では108.67円、対ユーロでは1.4512カナダドルまで上昇した。
 同じく産油国通貨とされるメキシコペソも堅調だった。対ドルでは一時17.2185ペソ、対円では8.54円まで値を上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに小反落。原油先物相場の上昇を受けてインフレ懸念が強まると、金利上昇への警戒からハイテク株を中心に売りが広がった。
 なお、ダウ平均は一時190ドル近く上昇する場面もあったが、アップルの新製品発表会が始まると再び売りに押され、下げに転じた。アップルは一時2%超下落した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに小反発。米国株相場の下落を受けて、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。10年債入札が「無難な結果」と受け止められたことも相場を下支えした。
 ただ、上値は重かった。WTI原油先物価格が昨年11月以来10カ月ぶりの高値を更新すると、インフレ懸念の高まりを背景に債券売りが出た。

・原油先物相場は反発。石油輸出国機構(OPEC)が月報を公表し、世界の石油市場は10-12月期に日量300万バレル超の供給不足に直面する見通しを示した。月報の内容が伝わると市場では世界的な需給引き締まり観測が高まり、一時2022年11月以来となる89ドル台に乗せる場面も見られた。

・金先物相場は3日ぶりに反落。13日の8月米CPIの発表を控え、指標の結果が年内の金利据え置き観測を後退させる結果となれば、金利の付かない資産である金の押し下げ要因になるとの思惑から、発表前に持ち高調整や利益確定の動きが出た模様である。

(中村)
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