欧州マーケットダイジェスト・15日 株高・金利上昇・ユーロ高

(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.79円(15日15時時点比△0.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.72円(△0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0671ドル(△0.0016ドル)
FTSE100種総合株価指数:7711.38(前営業日比△38.30)
ドイツ株式指数(DAX):15893.53(△88.24)
10年物英国債利回り:4.358%(△0.077%)
10年物独国債利回り:2.675%(△0.082%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
8月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                1.0%       1.0%
前年比                4.9%       4.8%
7月ユーロ圏貿易収支
季調済            29億ユーロの黒字  86億ユーロの黒字・改
季調前            65億ユーロの黒字   230億ユーロの黒字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルはじり高。前日は欧州中央銀行(ECB)定例理事会をきっかけに、「現在の利上げサイクルが終了した」との見方が広がり、一時1.0632ドルと3月20日以来約半年ぶりの安値を付けた。ただ、本日は週末を控えたポジション調整目的の買いが優勢となり、じり高の展開となった。ラガルドECB総裁が「利下げは議論していない」と述べたほか、「金利についてはデータ次第」と改めて強調したことも買い戻しを誘った。
 NY市場に入ると、9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数や8月米輸入物価指数が予想を上回り、弱含む場面もあったが、その後発表の9月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)が予想を下回ったことを受けて再びユーロ買い・ドル売りが優勢に。23時過ぎに一時1.0688ドルと日通し高値を付けた。

・ドル円は買い先行後、もみ合い。東京時間に伝わった「植田日銀総裁の発言と市場解釈にギャップがある。日銀の認識はほぼ変わっていない」との一部報道が改めて意識されると、欧州勢が円売り・ドル買いで参入。米10年債利回りが4.33%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時147.95円と昨年11月4日以来約10カ月ぶりの高値を更新した。
 NY市場では、この日発表された米経済指標が強弱入り混じる内容となったため、売買が交錯。147円台後半でのもみ合いに終始した。

・ユーロ円は堅調。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、前日にユーロ全面安となった反動が出た。週末を控えたポジション調整目的の買いも入り、1時30分前に一時157.90円と日通し高値を付けた。ラガルドECB総裁の発言で、「ECBの利上げ打ち止め観測がやや後退した」との指摘もあった。
 ユーロ豪ドルは一時1.6593豪ドル、ユーロNZドルは1.8087NZドル、ユーロポンドは0.8616ポンド、ユーロカナダドルは1.4460カナダドル、ユーロスイスフランは0.9572スイスフランまで値を上げた。

・ロンドン株式相場は続伸。前日の米国株高に加え、本日発表の中国の経済指標が予想を上回ると、景気減速への懸念が和らぎ全般買いが優勢となった。ECBの利上げ打ち止め観測が強まったことで、英中銀(BOE)による追加利上げ観測も後退し株買いを誘った面があった。

・フランクフルト株式相場は続伸。ECBの利上げ打ち止め観測が強まる中、買いが優勢となった。ただ、本日の米国株が軟調に推移するとやや伸び悩んだ。個別ではBASF(2.50%高)やブレンターク(2.10%高)、ポルシェ(1.87%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。ラガルドECB総裁の発言を受けて、ECBの利上げ打ち止め観測がやや後退した。

(中村)
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