NYマーケットダイジェスト・15日 株反落・原油高・金利上昇・円安

(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.85円(前営業日比△0.38円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.58円(△0.61円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0657ドル(△0.0014ドル)
ダウ工業株30種平均:34618.24ドル(▲288.87ドル)
ナスダック総合株価指数:13708.34(▲217.71)
10年物米国債利回り:4.33%(△0.04%)
WTI原油先物10月限:1バレル=90.77ドル(△0.61ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1946.2ドル(△13.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数 1.9        ▲19.0
8月米輸入物価指数(前月比)     0.5%       0.1%・改
8月米鉱工業生産指数(前月比)     0.4%      0.7%・改
設備稼働率              79.7%      79.5%・改
9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
                   67.7        69.5

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は上昇。東京時間に伝わった「植田日銀総裁の発言と市場解釈にギャップがある。日銀の認識はほぼ変わっていない」との一部報道が意識される中、米10年債利回りが4.33%台まで上昇すると円売り・ドル買いが優勢となった。20時前には一時147.95円と昨年11月4日以来約10カ月ぶりの高値を更新した。
 ただ、この日発表の米経済指標は9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数や8月米輸入物価指数は予想を上回った一方、9月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)は予想を下回るなど、強弱入り混じる内容となった。売りと買いが交錯し、NY時間は147円台後半でのもみ合いに終始した。

・ユーロドルは3日ぶりに反発。前日は欧州中央銀行(ECB)定例理事会をきっかけに、「現在の利上げサイクルが終了した」との見方が広がり、一時1.0632ドルと3月20日以来約半年ぶりの安値を付けたものの、本日は週末を控えたポジション調整目的の買いが優勢となった。ラガルドECB総裁が「利下げは議論していない」と述べたほか、「金利についてはデータ次第」と改めて強調したことも買い戻しを促し、23時過ぎに一時1.0688ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、引けにかけては1.0657ドル付近まで下押しした。

・ユーロ円は反発。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、前日にユーロ全面安となった反動が出た。ラガルドECB総裁の発言を受けて、「ECBの利上げ打ち止め観測がやや後退した」との指摘もあった。1時30分前には一時157.90円と日通し高値を付けた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。米長期金利の上昇で、株式の相対的な割高感が意識されると売りが優勢となった。「台湾のTSMCは半導体製造装置の納入延期を取引メーカーに要請」との一部報道が伝わると、半導体需要が想定以上に落ち込むとの懸念からハイテク株中心に売りが出た。全米自動車労組(UAW)の初の一斉ストライキも投資家心理の悪化につながり、指数は一時330ドル超下げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに大幅反落。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数や8月米輸入物価指数が予想を上回ると、債券売りが優勢となった。UAWの初の一斉ストライキを受けて、市場では「ストや賃上げ交渉が他業界にも波及し、インフレ圧力につながる可能性も意識された」との声が聞かれた。

・原油先物相場は続伸。需給ひっ迫観測が根強い中、一時91.12ドルと昨年11月以来の高値を付ける場面があった。この日中国で発表された8月の小売売上高や鉱工業生産が予想を上回ったことで、中国景気に対する過度な警戒感が後退したことも、原油相場の追い風となった模様である。

・金先物相場は続伸。9月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)が予想を下回ったことなどから、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き観測が高まり、金相場を支えたようだ。前日に一時3週間ぶりの安値を付けたことで、安値での買いやショートカバーも入った模様である。

(中村)
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