欧州マーケットダイジェスト・21日 株安・金利上昇・ドル失速・円高

(21日終値:22日2時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.54円(21日15時時点比▲0.80円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.36円(▲0.39円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0665ドル(△0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:7678.62(前営業日比▲53.03)
ドイツ株式指数(DAX):15571.86(▲209.73)
10年物英国債利回り:4.305%(△0.090%)
10年物独国債利回り:2.737%(△0.035%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)政策金利
                 1.75%で据え置き   1.75%
スウェーデン中銀、政策金利    4.00%に引き上げ   3.75%
ノルウェー中銀、政策金利     4.25%に引き上げ   4.00%
英中銀、政策金利発表       5.25%で据え置き   5.25%
9月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)▲17.8      ▲16.0

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は軟調。アジア時間に一時148.46円と年初来高値を付けた反動で利食い売りなどが先行。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果がタカ派的だったとの見方から欧米株価が軟調に推移すると、リスク・オフの円買いも優勢となった。24時過ぎには一時147.32円と日通し安値を更新した。市場では「明日の日銀金融政策決定会合を前にポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれた。
 なお、この日発表の前週分の米新規失業保険申請件数や8月米景気先行指標総合指数は予想より強い内容となった一方、9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や8月米中古住宅販売件数は予想より弱い内容となるなど強弱入り混じる結果となった。

・ユーロドルは底堅い動き。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時4.4881%前後と2007年11月以来の高水準を記録するとユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.0625ドル付近まで弱含む場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値1.0617ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。ドル円の下落をきっかけに対ユーロでもドル売りが広がると、一時1.0674ドルと日通し高値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時105.28まで低下した。

・ユーロ円は頭が重い。日本時間夕刻に一時158.07円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値158.15円がレジスタンスとして意識されると失速した。世界的な株価の下落で、投資家がリスク回避姿勢を強めると円買い・ユーロ売りが進行し、24時過ぎに157.03円と本日安値を付けた。

・ポンドは軟調。英中銀(BOE)はこの日、政策金利を現行の5.25%に据え置くことを決めたと発表。金利据え置きは約2年ぶりで、5対4の僅差で決まった。市場では0.25%の利上げ予想が大勢を占めていただけに、発表後はポンド売りで反応した。ポンドドルは一時1.2239ドルと3月27日以来の安値を付けたほか、ポンド円は180.84円と8月7日以来の安値を更新した。
 ただ、ベイリーBOE総裁が「利上げはまだ終了していない」「利下げについて議論することは時期尚早」と強調するとポンド売りは一服した。

・スイスフランは下落。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)はこの日、政策金利を現行の1.75%で据え置くことを決めたと発表。市場では0.25%の利上げを見込んでいたため、発表後はスイスフラン売りで反応した。対ドルでは一時0.9078スイスフラン、対ユーロでは0.9677スイスフラン、対円では162.99円まで値を下げた。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。米長期金利の上昇で米株式相場が下落すると、英株にも売りが波及した。ただ、BOEが利上げ予想に反して政策金利の据え置きを発表すると買い戻しが入り、指数はプラス圏を回復する場面もあった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株の下落が目立った。

・フランクフルト株式相場は反落。前日の米国株や本日のアジア株相場が下落すると、投資家心理が悪化。独株にも売りが波及した。個別ではBASF(4.86%安)やザルトリウス(4.17%安)、ザランド(3.27%安)などの下げが目立ち、ハノーバー再保険(0.90%高)などを除く36銘柄が下落した。

・欧州債券相場は上昇。米金融引き締めが長期化するとの見方から米長期金利が上昇する中、独国債にも売りが波及した。

(中村)
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