欧州マーケットダイジェスト・29日 株高・金利低下・ドル底堅い
(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.44円(29日15時時点比△0.27円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.88円(△0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0565ドル(▲0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:7608.08(前営業日比△6.23)
ドイツ株式指数(DAX):15386.58(△63.08)
10年物英国債利回り:4.437%(▲0.047%)
10年物独国債利回り:2.839%(▲0.091%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
4-6月期英国内総生産(GDP)改定値
前期比 0.2% 0.2%
前年同期比 0.6% 0.4%
9月独雇用統計
失業率 5.7% 5.7%
失業者数変化 1.00万人 2.00万人・改
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
前年比 4.3% 5.2%
9月ユーロ圏HICPコア速報値
前年比 4.5% 5.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。全米自動車労働組合(UAW)のストライキ拡大や米政府機関閉鎖への警戒から、足もとで膨らんだドル買いポジションを解消する動きが先行。米10年債利回りが低下したことも重しとなり、日本時間夕刻に一時148.53円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。一目均衡表転換線が位置する148.52円がサポートとして意識されたほか、米10年債利回りが低下幅を縮めたことが相場を下支えした。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、3時前には149.49円付近まで持ち直し、アジア時間に付けた日通し高値149.50円に迫った。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比3.9%上昇と市場予想通り前月から鈍化したものの、ドル売りでの反応は限定的だった。
・ユーロドルは頭が重かった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0617ドルと日通し高値を付けたものの、1.06ドル台では戻りを売りたい向きも多く、徐々に上値が重くなった。9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が総合・コアともに予想を下回ったことも次第に意識された。2時過ぎには一時1.0564ドル付近まで下押しした。
ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はこの日、「政策金利はピークまたはそれに近い水準にある」と述べ、FRBの利上げは完了した可能性があると示唆した。ただ、「FRBの政策が経済とインフレに影響を与えるには時間がかかるだろう」「しばらくは制限的な政策が必要になると予想」と述べ、しばらくは高金利を維持する姿勢を示した。
・ユーロ円は買い先行後、もみ合い。欧州株相場の上昇を背景に投資家の過度なリスク回避姿勢が後退すると円売り・ユーロ買いが出て一時158.34円と日通し高値を付けた。ただ、そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、次第に方向感が乏しくなった。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。前日の米ハイテク株高などを背景に運用リスクをとりやすくなった投資家の買いが先行。時間外の米株価指数先物の上昇も相場の支援材料となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、グレンコアやDSスミスなど素材株が値上がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株が売られ、相場の重しとなった。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米ハイテク株高などを背景に運用リスクをとりやすくなった投資家の買いが優勢となった。米長期金利の上昇が一服したことでこの日の米国株相場が底堅く推移したことも相場の支援材料。個別ではコメルツ銀行(10.77%高)やアディダス(6.23%高)、ボノビア(5.00%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。ユーロ圏のインフレ指標が鈍化したことを受けて、欧州中央銀行(ECB)が追加利上げに傾くとの観測が後退した。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=149.44円(29日15時時点比△0.27円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.88円(△0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0565ドル(▲0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:7608.08(前営業日比△6.23)
ドイツ株式指数(DAX):15386.58(△63.08)
10年物英国債利回り:4.437%(▲0.047%)
10年物独国債利回り:2.839%(▲0.091%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
4-6月期英国内総生産(GDP)改定値
前期比 0.2% 0.2%
前年同期比 0.6% 0.4%
9月独雇用統計
失業率 5.7% 5.7%
失業者数変化 1.00万人 2.00万人・改
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
前年比 4.3% 5.2%
9月ユーロ圏HICPコア速報値
前年比 4.5% 5.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。全米自動車労働組合(UAW)のストライキ拡大や米政府機関閉鎖への警戒から、足もとで膨らんだドル買いポジションを解消する動きが先行。米10年債利回りが低下したことも重しとなり、日本時間夕刻に一時148.53円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。一目均衡表転換線が位置する148.52円がサポートとして意識されたほか、米10年債利回りが低下幅を縮めたことが相場を下支えした。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、3時前には149.49円付近まで持ち直し、アジア時間に付けた日通し高値149.50円に迫った。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比3.9%上昇と市場予想通り前月から鈍化したものの、ドル売りでの反応は限定的だった。
・ユーロドルは頭が重かった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0617ドルと日通し高値を付けたものの、1.06ドル台では戻りを売りたい向きも多く、徐々に上値が重くなった。9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が総合・コアともに予想を下回ったことも次第に意識された。2時過ぎには一時1.0564ドル付近まで下押しした。
ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はこの日、「政策金利はピークまたはそれに近い水準にある」と述べ、FRBの利上げは完了した可能性があると示唆した。ただ、「FRBの政策が経済とインフレに影響を与えるには時間がかかるだろう」「しばらくは制限的な政策が必要になると予想」と述べ、しばらくは高金利を維持する姿勢を示した。
・ユーロ円は買い先行後、もみ合い。欧州株相場の上昇を背景に投資家の過度なリスク回避姿勢が後退すると円売り・ユーロ買いが出て一時158.34円と日通し高値を付けた。ただ、そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、次第に方向感が乏しくなった。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。前日の米ハイテク株高などを背景に運用リスクをとりやすくなった投資家の買いが先行。時間外の米株価指数先物の上昇も相場の支援材料となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、グレンコアやDSスミスなど素材株が値上がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株が売られ、相場の重しとなった。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米ハイテク株高などを背景に運用リスクをとりやすくなった投資家の買いが優勢となった。米長期金利の上昇が一服したことでこの日の米国株相場が底堅く推移したことも相場の支援材料。個別ではコメルツ銀行(10.77%高)やアディダス(6.23%高)、ボノビア(5.00%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。ユーロ圏のインフレ指標が鈍化したことを受けて、欧州中央銀行(ECB)が追加利上げに傾くとの観測が後退した。
(中村)