欧州マーケットダイジェスト・3日 株安・金利上昇・円乱高下

(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.01円(3日15時時点比▲0.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.00円(▲0.89円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0469ドル(△0.0004ドル)
FTSE100種総合株価指数:7470.16(前営業日比▲40.56)
ドイツ株式指数(DAX):15085.21(▲162.00)
10年物英国債利回り:4.597%(△0.033%)
10年物独国債利回り:2.968%(△0.046%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
9月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比                ▲0.1%      0.2%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルはもみ合い。米10年債利回りが時間外取引で低下に転じるとユーロ買い・ドル売りが先行。17時30分前に一時1.0493ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、米10年債利回りが再び上昇するとユーロ売り・ドル買いがじわりと強まった。8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が961.0万件と予想の880.0万件を大幅に上回ったことが伝わると、米金利の上昇とともにドル買いが加速。1時前に1.0448ドルと昨年12月7日以来の安値を付けた。なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時4.7955%前後と2007年8月以来の高水準を記録した。
 もっとも、売り一巡後は下げ渋る展開に。ドル円の急落をきっかけにユーロに対してもドル売りが出た。

・ドル円は荒い値動き。米雇用指標の上振れをきっかけに米金利が上昇すると全般ドル買いが先行。節目の150円を突破し、一時150.16円と昨年10月21日以来の高値を更新した。そのあとは政府・日銀による為替介入への警戒が高まる中、まとまった規模の円買いのフローが入ったことで一時147.43円まで急落したものの、すぐに149円台前半まで持ち直すなど、神経質な値動きとなった。市場では「政府・日銀が介入に踏み切った可能性がある」との見方も浮上し、売買が交錯したようだ。
 なお、財務省幹部は為替介入の有無について「ノーコメント」と回答した。

・ユーロ円も荒い値動きだった。しばらくは157.00円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、ドル円の急落をきっかけに円買い・ユーロ売りが強まると154.46円まで急速に値を下げた。ただ、そのあとはすぐに買い戻しが入り、156円台前半まで持ち直している。市場では「政府・日銀の為替介入を巡る思惑で円相場は乱高下しやすくなっていた」との声が聞かれた。

・ロンドン株式相場は続落。しばらくはプラス圏での推移が続いていたが、中盤以降売りに押された。米欧の金利上昇などが投資家心理を圧迫し、株売りを促した。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が値下がりした。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株も軟調だった。

・フランクフルト株式相場は続落。米欧の金利上昇などが投資家心理を冷やし、株売りを促した。この日の米国株相場が軟調に推移したことも相場の重しとなり、引けにかけて下げ幅を広げた。個別ではザランド(5.14%安)やRWE(4.23%安)、シーメンス・エナジー(3.05%安)などの下げが目立ち、ヘンケル(0.98%高)などを除く36銘柄が下落した。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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