ニューヨーク外国為替市場概況・3日 ドル円、3日ぶり反落

 3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は149.02円と前営業日NY終値(149.86円)と比べて84銭程度のドル安水準だった。8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が961.0万件と予想の880.0万件を大幅に上回ったことが伝わると、米金利の上昇とともにドル買いが先行。節目の150円を突破し、一時150.16円と昨年10月21日以来の高値を更新した。
 そのあとは政府・日銀による為替介入への警戒が高まる中、まとまった規模の円買いのフローが入ったことで一時147.43円まで急落したが、すぐに149円台前半まで持ち直すなど、神経質な値動きとなった。「政府・日銀が介入に踏み切った可能性がある」との見方も浮上し、売買が交錯したもよう。ある市場関係者からは「節目の150円台に乗せたあとは、介入への警戒感が強まり乱高下につながった。米長期金利の上昇が続く中、円安が今後どこまで進むのか見通せない状況だ」との声が聞かれた。
 なお、財務省幹部は為替介入の有無について「ノーコメント」と回答した。

 ユーロドルは小幅ながら続落。終値は1.0467ドルと前営業日NY終値(1.0477ドル)と比べて0.0010ドル程度のユーロ安水準だった。米雇用指標の上振れをきっかけに米長期金利が上昇すると全般ドル買いが進行。1時前に一時1.0448ドルと昨年12月7日以来の安値を付けた。なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時4.8081%前後と2007年8月以来の高水準を記録した。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。昨年12月7日の安値1.0443ドルがサポートとして意識されたほか、ドル円の急落をきっかけにユーロに対してもドル売りが出た。

 ユーロ円は続落。終値は155.97円と前営業日NY終値(157.02円)と比べて1円05銭程度のユーロ安水準。しばらくは157.00円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、ドル円の急落をきっかけに円買い・ユーロ売りが強まると154.46円まで急速に値を下げた。ただ、そのあとはすぐに買い戻しが入り、156円台前半まで持ち直した。市場では「政府・日銀の為替介入を巡る思惑で円相場は乱高下しやすくなっていた」との声が聞かれた。

本日の参考レンジ
ドル円:147.43円 - 150.16円
ユーロドル:1.0448ドル - 1.0493ドル
ユーロ円:154.46円 - 157.36円

(中村)
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