欧州マーケットダイジェスト・5日 株まちまち・金利低下・ドル失速

(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.43円(5日15時時点比▲0.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.41円(△0.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0538ドル(△0.0021ドル)
FTSE100種総合株価指数:7451.54(前営業日比△39.09)
ドイツ株式指数(DAX):15070.22(▲29.70)
10年物英国債利回り:4.542%(▲0.037%)
10年物独国債利回り:2.878%(▲0.041%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
8月独貿易収支         166億ユーロの黒字 177億ユーロの黒字・改
8月仏鉱工業生産
前月比                ▲0.3%     0.5%・改
9月英建設業購買担当者景気指数(PMI)  45.0       50.8

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。前週分の米新規失業保険申請件数が20.7万件と予想の21.0万件より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。21時30分過ぎに一時1.0500ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、米長期金利が低下に転じると一転ドル売りが優勢となり、前日の高値1.0532ドルを上抜けて一時1.0545ドルと日通し高値を更新した。
 なお、市場では「明日6日の9月米雇用統計次第では米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が強まる可能性がある」との声も聞かれた。

・ポンドドルも底堅い動き。9月英建設業PMIが45.0と予想の49.9を下回ったことが伝わるとポンド売り・ドル買いが先行。ブロードベント英中銀(BOE)副総裁が「英国経済には、明らかな減速の兆候が見られる」と述べたことも相場の重しとなり、21時30分過ぎに一時1.2108ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、一時は4.7728%前後まで上昇した米10年債利回りが4.6998%前後まで低下すると一転ポンド買い・ドル売りが優勢に。3時過ぎには1.2189ドルと日通し高値を更新した。

・ドル円は頭が重かった。米金融引き締めが長期化するとの観測が根強い中、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行した。21時30分過ぎには149.12円付近まで上昇し、アジア時間早朝に付けた日通し高値に面合わせした。
 ただ、米長期金利が低下に転じると次第に円買い・ドル売りが優勢となり、148.31円付近まで下押しした。
 なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「いかなる決定も急ぐ必要はない」「労働市場と物価の減速が続けば金利据え置きは可能」と述べたほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁は「現在の金利は高く感じるが、長期的なものではない」「2%は非常に妥当なインフレ目標」などと語った。

・ユーロ円は上値が重い。日本時間夕刻に一時156.79円と本日高値を付けたものの、買い一巡後はじり安の展開に。ドル円の失速に伴う円買い・ユーロ売りが入り、一時156.22円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに、自律反発狙いの買いが入った。香港株や日本株などの上昇も買い戻しを誘った。ただ、アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が売られ、相場の上値を抑えた。

・フランクフルト株式相場は反落。香港株や日本株などの上昇を受けて買いが入ったものの、終盤失速した。明日6日の9月米雇用統計を前に買いを手控える向きもあった。個別ではアディダス(3.68%安)やコベストロ(2.16%安)、ポルシェ(1.98%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。このところ急ピッチで下落が進んだ反動で、買いが優勢となった。

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。