週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、利上げ期待の一段後退に注意
◆ポンド、年内の追加利上げ期待の一段の後退に注意
◆ポンド、足もとでは指標のネガティブ結果に反応しやすい
◆加ドル、上昇一巡の原油相場の動きに注目
予想レンジ
ポンド円 178.00-183.00円
加ドル円 106.50-110.50円
10月9日週の展望
ドル買い圧力の高い状況が続いており、ポンドは対ドルで引き続き売りが強まりやすい。対円でも日本当局の円買い介入への警戒感が根強いことを背景に上値の重い動きが見込まれる。
イングランド銀行(英中銀、BOE)の9月会合後に「利上げサイクルが終焉した」との見方が高まりつつあるが、市場では依然として年内の追加利上げを5割超織り込んでいる。ただ、労働市場に緩和の兆候がみられ、今後は物価指数の伸びが再加速するなど追加利上げを必要とする新規の手がかりが出ない限り、目線はBOEが現状の金利水準をいつまで維持するかに向けられそうだ。市場の利上げ期待が更に後退すれば、ポンドには売り圧力が加速しそうだ。10月からは英国の標準的な世帯の光熱費支払額が約 7%減少することが見込まれており、これもインフレ率の低下につながる可能性がある。ベイリーBOE総裁は、インフレ圧力が年内に急速に弱まると予想した一方で、インフレ退治は「まだ終わっていない」と強調している。
また、最近発表された英経済指標は強弱まちまちも景気減速への懸念は根強く、足もとでポンドはネガティブな結果に反応しやすい。9月の製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値はともに速報値からわずかに上方修正され8月から上昇したものの、建設業PMIは前月や市場予想を大幅に下回る結果となり、大幅な景況悪化が続いていることが示された。先月末に発表された4-6月期GDP確報値は前期比0.2%と速報値と変わらずとなり、コロナ禍前の2019年10-12月期を1.8%上回った。これはドイツやフランスを上回るも、他の主要国に比べると景気回復はまだ出遅れている。来週は8月のGDPや鉱工業生産、貿易収支などの発表が予定されている。
加ドルは9月の原油相場が堅調な動きになったことも支えに底堅い動きが続いたが、10月は原油高に調整が入り、加ドルに売り圧力が強まっている。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成するOPEC+は供給を制限する現行の政策を維持すると表明しているが、中国や欧米などを中心とした世界経済見通しの変化に注意したい。また、9月に発表の8月加雇用者数は7月から増加に転じ、8月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.0%と伸びが加速したことを鑑みると、カナダ中銀(BOC)が年内に後1回利上げに動く可能性が残されている。ビンセントBOC副総裁は、「企業がコストを消費者に転嫁する動きが加速していることが、インフレを助長させかねない」と懸念を示した。
10月2日週の回顧
米長期金利の上昇に伴ったドル高地合いが続くなか、ポンドドルは1.20ドル半ばまで下押したが、その後は1.21ドル後半まで買い戻されている。加ドルは原油相場の下落も重しに対ドルで1.37加ドル後半まで加ドル安が進んだ。対円ではドル円が150円台から一時急落した局面でポンド円は178円前半、加ドル円は107円半ばまで下落する場面が見られた。その後はドル円同様に持ち直すも、日本当局の円買い介入への警戒感でクロス円全般も上値の重い動きとなった。
◆ポンド、足もとでは指標のネガティブ結果に反応しやすい
◆加ドル、上昇一巡の原油相場の動きに注目
予想レンジ
ポンド円 178.00-183.00円
加ドル円 106.50-110.50円
10月9日週の展望
ドル買い圧力の高い状況が続いており、ポンドは対ドルで引き続き売りが強まりやすい。対円でも日本当局の円買い介入への警戒感が根強いことを背景に上値の重い動きが見込まれる。
イングランド銀行(英中銀、BOE)の9月会合後に「利上げサイクルが終焉した」との見方が高まりつつあるが、市場では依然として年内の追加利上げを5割超織り込んでいる。ただ、労働市場に緩和の兆候がみられ、今後は物価指数の伸びが再加速するなど追加利上げを必要とする新規の手がかりが出ない限り、目線はBOEが現状の金利水準をいつまで維持するかに向けられそうだ。市場の利上げ期待が更に後退すれば、ポンドには売り圧力が加速しそうだ。10月からは英国の標準的な世帯の光熱費支払額が約 7%減少することが見込まれており、これもインフレ率の低下につながる可能性がある。ベイリーBOE総裁は、インフレ圧力が年内に急速に弱まると予想した一方で、インフレ退治は「まだ終わっていない」と強調している。
また、最近発表された英経済指標は強弱まちまちも景気減速への懸念は根強く、足もとでポンドはネガティブな結果に反応しやすい。9月の製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値はともに速報値からわずかに上方修正され8月から上昇したものの、建設業PMIは前月や市場予想を大幅に下回る結果となり、大幅な景況悪化が続いていることが示された。先月末に発表された4-6月期GDP確報値は前期比0.2%と速報値と変わらずとなり、コロナ禍前の2019年10-12月期を1.8%上回った。これはドイツやフランスを上回るも、他の主要国に比べると景気回復はまだ出遅れている。来週は8月のGDPや鉱工業生産、貿易収支などの発表が予定されている。
加ドルは9月の原油相場が堅調な動きになったことも支えに底堅い動きが続いたが、10月は原油高に調整が入り、加ドルに売り圧力が強まっている。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成するOPEC+は供給を制限する現行の政策を維持すると表明しているが、中国や欧米などを中心とした世界経済見通しの変化に注意したい。また、9月に発表の8月加雇用者数は7月から増加に転じ、8月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.0%と伸びが加速したことを鑑みると、カナダ中銀(BOC)が年内に後1回利上げに動く可能性が残されている。ビンセントBOC副総裁は、「企業がコストを消費者に転嫁する動きが加速していることが、インフレを助長させかねない」と懸念を示した。
10月2日週の回顧
米長期金利の上昇に伴ったドル高地合いが続くなか、ポンドドルは1.20ドル半ばまで下押したが、その後は1.21ドル後半まで買い戻されている。加ドルは原油相場の下落も重しに対ドルで1.37加ドル後半まで加ドル安が進んだ。対円ではドル円が150円台から一時急落した局面でポンド円は178円前半、加ドル円は107円半ばまで下落する場面が見られた。その後はドル円同様に持ち直すも、日本当局の円買い介入への警戒感でクロス円全般も上値の重い動きとなった。