週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、英中銀の金融政策に注目
◆ポンド、英金融政策に注目、CPIの結果次第で神経質な動きも
◆英中銀、リセッション懸念が再燃するなか今後も難しい舵取りに
◆加ドル、8月カナダCPIを見極め
予想レンジ
ポンド円 180.50-185.50円
加ドル円 107.00-111.00円
9月18日週の展望
ポンドは、21日にイングランド銀行(英中銀、BOE)が公表する金融政策に注目している。ただ、その前日に発表される8月英消費者物価指数(CPI)にも注意が必要だろう。というもの、金融政策委員会(MPC)では、指標結果を見定めた後にベイリーBOE総裁が提示した政策に対する投票が行われるからだ。15会合連続となる金利引き上げはほぼ確定とされているものの、足もとのインフレ動向次第では、今回の利上げ幅や11-12月会合に向けた政策スタンスへの思惑が交錯し、ポンド相場はかなり神経質な動きとなるかもしれない。
8月CPIが大きな波乱とならなければ、政策金利は現行の5.25%から5.50%に引き上げられるという見方が優勢だ。12日に発表された5-7月分の「ボーナスを除く平均賃金」は前年比7.8%と前回から横ばいだったものの、水準的には2001年以来では最も高い伸び率にある。賃金高止まりによるインフレ上振れリスクを抑制するためにも、英中銀は引き締め継続しか選択余地がない。
しかしながら、13日発表の7月英国内総生産(GDP)は0.5%減と7カ月ぶりの縮小幅を記録し、リセッション(景気後退)懸念が再び持ち上がってきている。ベイリーBOE総裁は今後も難しい金融政策の舵取りを強いられるだろう。政策の不透明感が高まるようだと、ポンドの買いづらさに繋がっていきそうだ。
なお、今回の会合では、保有国債を削減する量的引き締め(QT)について、10月からの年間削減目標が決定される見通し。昨年は、市場売却と償還を合わせて800億ポンドの縮小が決められた。今後は、削減目標が年900億から1000億ポンドまで拡大されると一部で予想されている。
加ドルはまず、19日発表の8月CPIを見極める展開となりそうだ。前回7月分は元々6月からの上振れが見込まれていたなか、前年比3.3%と市場予想を0.3%上回った。次回のカナダ中銀(BOC)会合は10月25日であり、その前に9月CPIも発表されるため、今回の結果が必ずしもBOC次の一手に繋がるとは限らない。ただ、インフレ再加速を今回も裏付けるようであれば、金融当局者たちがタカ派に傾くことは想定しておかねばならないだろう。
また、加ドル、ポンドとも、20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や22日の日銀金融政策決定会合の結果や、定例記者会見の内容には注視する必要がある。ドル相場や円相場全般の流れに左右される可能性も高そうだ。
9月11日週の回顧
ポンドは上値が重かった。対円では円金利先高観を背景に売りが先行。ドル円の反発につれ持ち直すも184円半ばでは頭を抑えられ、週後半には182円半ばまで下落した。さえない英経済指標、予想より強い米指標を受けてポンドドルも弱含み。6月以来の1.24ドル割れまで売られた。
堅調な原油相場を支えに、産油国通貨でもある加ドルは強含み。週明け売り先行の対円でも107円前半から109円台まで切り返した。対ドルでは1.34加ドル後半まで加ドル高に振れた。(了)
◆英中銀、リセッション懸念が再燃するなか今後も難しい舵取りに
◆加ドル、8月カナダCPIを見極め
予想レンジ
ポンド円 180.50-185.50円
加ドル円 107.00-111.00円
9月18日週の展望
ポンドは、21日にイングランド銀行(英中銀、BOE)が公表する金融政策に注目している。ただ、その前日に発表される8月英消費者物価指数(CPI)にも注意が必要だろう。というもの、金融政策委員会(MPC)では、指標結果を見定めた後にベイリーBOE総裁が提示した政策に対する投票が行われるからだ。15会合連続となる金利引き上げはほぼ確定とされているものの、足もとのインフレ動向次第では、今回の利上げ幅や11-12月会合に向けた政策スタンスへの思惑が交錯し、ポンド相場はかなり神経質な動きとなるかもしれない。
8月CPIが大きな波乱とならなければ、政策金利は現行の5.25%から5.50%に引き上げられるという見方が優勢だ。12日に発表された5-7月分の「ボーナスを除く平均賃金」は前年比7.8%と前回から横ばいだったものの、水準的には2001年以来では最も高い伸び率にある。賃金高止まりによるインフレ上振れリスクを抑制するためにも、英中銀は引き締め継続しか選択余地がない。
しかしながら、13日発表の7月英国内総生産(GDP)は0.5%減と7カ月ぶりの縮小幅を記録し、リセッション(景気後退)懸念が再び持ち上がってきている。ベイリーBOE総裁は今後も難しい金融政策の舵取りを強いられるだろう。政策の不透明感が高まるようだと、ポンドの買いづらさに繋がっていきそうだ。
なお、今回の会合では、保有国債を削減する量的引き締め(QT)について、10月からの年間削減目標が決定される見通し。昨年は、市場売却と償還を合わせて800億ポンドの縮小が決められた。今後は、削減目標が年900億から1000億ポンドまで拡大されると一部で予想されている。
加ドルはまず、19日発表の8月CPIを見極める展開となりそうだ。前回7月分は元々6月からの上振れが見込まれていたなか、前年比3.3%と市場予想を0.3%上回った。次回のカナダ中銀(BOC)会合は10月25日であり、その前に9月CPIも発表されるため、今回の結果が必ずしもBOC次の一手に繋がるとは限らない。ただ、インフレ再加速を今回も裏付けるようであれば、金融当局者たちがタカ派に傾くことは想定しておかねばならないだろう。
また、加ドル、ポンドとも、20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や22日の日銀金融政策決定会合の結果や、定例記者会見の内容には注視する必要がある。ドル相場や円相場全般の流れに左右される可能性も高そうだ。
9月11日週の回顧
ポンドは上値が重かった。対円では円金利先高観を背景に売りが先行。ドル円の反発につれ持ち直すも184円半ばでは頭を抑えられ、週後半には182円半ばまで下落した。さえない英経済指標、予想より強い米指標を受けてポンドドルも弱含み。6月以来の1.24ドル割れまで売られた。
堅調な原油相場を支えに、産油国通貨でもある加ドルは強含み。週明け売り先行の対円でも107円前半から109円台まで切り返した。対ドルでは1.34加ドル後半まで加ドル高に振れた。(了)