東京為替見通し=ドル円、日米休場で流動性低下に注意

 先週末のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。米雇用統計の結果が伝わると一時149.53円と日通し高値を付けた。ユーロドルは3日続伸。米雇用統計の非農業部門雇用者数が33.6万人増と予想の17.0万人増を大きく上回ったことを受けて米10年債利回りは一時4.8852%前後と2007年7月以来の高水準を記録し、一時1.0483ドルと日通し安値を更新したが、徐々に失業率と平均時給が予想より弱い内容となったことに注目が集まり、ドル売りに傾くと1.0600ドルまで反発した。株高を受けたリスクオンの円売りが優勢となり、ユーロ円は158.26円まで高値を更新した。

 本日は日本がスポーツの日、米国がコロンブスデーの祝日で休場となる。韓国、カナダも祝日で市場参加者が少なく、先週末に注目の米雇用統計を通過し、基本的には閑散取引のなか相場全体の鈍い動きが予想される。ただ、流動性が低下しているなか、突発的な動きや荒っぽい値動きになる可能性もあるので注意したい。

 先週末の米雇用統計は労働市場が堅調であることを示したが、賃金の上昇ペースは鈍化した。今回の統計は米連邦準備理事会(FRB)が年内に追加利上げに踏み切る可能性を残している。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以来、上昇傾向にある米長期金利は先週末も一段と上昇し、米30年債利回りは5%台、米10年債利回りは4.88%まで2007年以来の高水準となった。米景気が加速するとの見方が強まっていることは金利の上昇を正当化し、金利上昇に伴ったドル高地合いが続くと想定され、ドル円は引き続き底堅い動きが予想されるが、150円水準に近づけば日本当局の円買い介入への警戒感が強く、新規の手がかりが出なければ動きづらい。

 本日は日本の株式市場は休場となるが、中国の株式市場は先週の大型連休を終えて本日から取引を再開する。先週末は株高を背景としたリスクオンの円売りで、クロス円の堅調な動きが目立ったが、本日も中国株の動向を受けてクロス円に動意づき、クロス円の動きがドル円に影響を与える可能性はあるか。

(金)
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